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「だ、だってー。幸せだよぅ。蒼士くん、お姫様抱っこしてくれるし、何回もキスしてくれるし。みんなもフラワーシャワーしてくれて『おめでとう』って。……ブーケトスは玲のところに投げられなくてちょっと残念だったけど、平瀬さんが取ってくれたし」
挙式が終わった段階で、もうすでに大満足だ。
「これから披露宴でまだまだやることたくさんあるんだろう? キャンドルサービスとか、ケーキカットとか、お色直しとかもするんだからさー。ほら、泣くなって。キスしてやるから」
人目も憚らずチュッと軽くキスをしてくれる。その彼にまた涙が出てきた。
「前はこんなことしてくれなかったのに。本当に嬉しい。大好きだよ、蒼士くん」
「わかったから。俺も大好きだよ、桃」
困ったようにフッと笑いながら背中を優しく撫でてくれる。周りにいる式場のスタッフさんにもクスクス笑われてしまったけど、そんなこと気にならないほど幸せだった。
トラブルもなく、私の憧れを詰め込んだ披露宴も無事に終わりを迎える。
「——この結婚式は妻である桃がずっと憧れていた結婚式です。夢を叶えてあげることができて本当に良かった。皆さま、本日はお忙しい中私達の為にお集まり頂きありがとうございました」
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