やっぱり運命だったみたいです

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「ありがとう。……うーん。相変わらず東南とは客層が若干違うね。若い女性が多い。20代前半？」

　私が手渡した資料をパラパラとめくりながら呟く。

「全体的に見るとそうなんですけど、平日の昼間や土日は少し年齢層が上がるんですよね。子育て世代が増えてきているのかも」

「あぁ、そうかもね。だとしたら子供向けの商品を増やしてみるとか？　いや、敢えて上位ランクの商品を増やすか……。もう少しデータを集めてみよう」

「そうですね。纏めておきます」

　今の仕事は私に向いていると思っている。膨大なデータを集計して傾向を分析する、いわゆるマーケティングだけど……これが結構楽しい。入社して３年目でようやく慣れてきたとはいえ、まだまだ勉強中の身。それでも、分析に関しては認めてもらえることが増えてきた。

　あぁー、思った以上にダメージが大きい。

　あの途中下車をした翌日から王子様を見かけることはなくなった。車両を変えたのかもしれない。或いは時間を変えたのか……。毎日のように目の保養をしていた素敵な王子様を見かけることができなくなったことはかなりの痛手だ。しかも、せっかく運命の恋が動き出したと思ったのに。

　ようやく金曜日になったけど、今週はずっとこんな調子で気分が乗らない。