01

11/44
前へ
/399ページ
次へ
「月宮ちゃん、お昼行かないの?」 「あ、すみません。もう少ししたら行きます」 「そう? わかった」  キリのいいところまでやってしまいたい。社食に向かった先輩たちを見送った後、10分ほどで終わった。  これから社食に行くのも微妙だなぁ。喫茶店に行こう。  店内に入ると「空いているお席にどうぞ」と年配の男性から声をかけられる。多分、ここのお店のマスター。お水をテーブルに持ってきてくれた女性の店員さんに「オムライスセットをアイスコーヒーで」と注文した。  すぐに「お待たせしました」とオムライスとミニサラダとアイスコーヒーがテーブルに並べられる。お昼時にこの速さで料理を出してくれることは本当にありがたい。 「いただきます」  小声で言って食べ始めたけど、すぐに咽せてしまいそうになった。  カラン、カランという雰囲気のある鈴の音が聞こえ、さりげなくお店のドアを見ると見覚えのある……というか、会いたかった男性が店内に入ってきたのだ。  え! な、な、何で? 王子様!
/399ページ

最初のコメントを投稿しよう!

797人が本棚に入れています
本棚に追加