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 落ち込んで軽く俯いていると、心配そうに顔を覗き込まれる。 「あ! いえ、違います。逆です!」 「逆? 月宮ちゃんがストーカーなの?」 「そ、そうじゃないんですけど、……うーん、でも結果的にそうなのかも……? でも、とにかく大丈夫ですから」  慌てふためきながらも愛想笑いで話を終わらせた。  なんとか誤解を解かないと……。  平瀬さんの口から出た「ストーカー」という衝撃的なワードに苛まれていた。さすがにストーカーに間違われているのは不本意だ。うーん、と腕組みをしながら頭をフル回転させる。  王子様と接点があるのは京浜シーラインとあの喫茶店。……電車の車両を変えてみようかな。それか時間? 後ろにズラすのは考え難いから前だよね。朝、家を出る時間を早めるのもなぁ。それこそストーカーじゃん。  私が行動を起こすと「付き纏い」になる気がする。たまたま偶然だと言える状況なら言い逃れが出来そうだ。  ……言い逃れって時点で悪いことしてるみたいなんだけど。……でも、今日だって偶然あの喫茶店で会っちゃったわけだし。……待って? この前会ったのも確か金曜日だったよね? 「あぁ、金曜日!」 「……市場調査の日?」  まずい。仕事中に何考えてるんだろう。
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