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 ここのところ玲と私は仕事の都合でお昼は別々に食べていた。営業部の玲は外出も多く、2週間くらい会えないこともよくある。〈LINA〉は交換しているけど、よほどのことがない限り連絡は取り合わない。でも、会えばいろんな相談や恋バナとかで盛り上がる。この適度な距離感がちょうどいい。 「それがさ……そんなに楽しい話でもなくて……」 「え? どうしたの?」  ここ数週間のことを思い出し沈んだ私を心配そうな表情で窺う玲。 「ストーカーに間違われてる……かも」 「……っ。ストーカー? 桃香が?」  口に含んだアイスコーヒーを吹き出しそうにしながら慌てて聞き返してきた。  ちょうど2週間前の金曜日——。  お昼休みになるとあの喫茶店に向かう。  私が働いている企画部は女性同士でも割とサバサバしていて、こうして単独行動をしてもなんとも思われないから気が楽だ。高校や大学の頃は「女子って大変だなぁ」とげんなりしたことも数知れないけど、やっぱり社会に出るとそういう女子っぽさは薄れていくのかも知れない。
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