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 朝、いつものように京浜シーラインに乗り込み、いつものように王子様から少し離れた場所で向かい合うように立っていると今日はすぐに気付いてくれた。  やった! 私のこと、確実にわかってるよね?  期待したのも束の間、また怪訝な表情で私のことを見ている。そして、まだ終点ではないのに席を立った王子様。そのまま到着した駅で降りて行ってしまった。  ……え? えぇ? なに? もしかして避けられてる?  はぁー。 「月宮ちゃん、どうしたの? まぁ、新しいプロジェクト立ち上がってるから無理もないか」 「あぁ、いえ。そっちは大丈夫なんですけど……」  デスクに着くなり盛大なため息をついた私を気にかけてくれる企画部の先輩、平瀬さん。会社の近くにある有名コーヒー店のカフェラテを飲みながら書類の整理をしている。 「さすが、分析のプロは余裕だねぇ」 「……揶揄ってますね?」 「半分。でも、後の半分は本気ですごいと思ってるから。はい、これ。東南地区のデータ、プリントアウトしておいたよ」  クスッと笑いながら、グラフや数字が並ぶ書類の束を差し出してきた。 「ありがとうございます。こちらが西部のデータです。よろしくお願いします」
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