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6 戸惑い
私には子供の頃からの大の仲良しがいる。いつもずっと一緒にいた。
そう、雨の日も風の日も晴れた日も曇りの日も。春も夏も秋も当然冬も。
そしてそれが当り前のことだと思っていた。
これから先もずっと変わらず続いていくものと、信じて疑わなかった。
その日の放課後から私たち3人、即ち私の幼馴染みの俊と親友で俊のことが好きな美咲、そして少しお邪魔虫感が否めない私。3人は、行動をともにすることが多くなった。
いつも俊と2人だった登下校時も当然美咲と3人になり、あの日以来俊と2人で過ごす時間が殆どと言っていいくらい、なくなってしまったのだ。
休日に出かけるときも、俊の家に遊びに行くときも。
美咲とは親友なので、一緒にいられて嬉しいのだけれど、どうしてだろう……胸がざわつく。
俊と美咲が楽しそうに話しているのを見ているだけで、心の奥が締めつけられる。
こんなこと初めてだ。
大好きな2人とずっと一緒にいられるというのに。ずっと3人でいられる……。
3人で。
楽しいはずの時間が少しずつ苦痛に感じられてくる。私って性格が悪いのだろうか。
大好きな2人がだんだん仲良くなっていくのを素直に喜べない自分に驚いている。
この気持ちの正体は一体なんなのだろうか。
子供のころから何年間も続いてきた当り前のような日常が、突如変わってしまってただ戸惑っているだけなのだろうか。
自分で自分の心が掴めないもどかしさに、ただもやもやしているだけなのだろうか。
俊と美咲が楽しそうに話しているのを見ているだけで、心の奥が締めつけられる。
2人が肩を並べて歩いているだけで胸が苦しくなり、息ができなくなる。
こんなこと初めてだ。
この先、一体どうなってしまうのだろう。
俊と私。美咲と私。
そして俊と美咲。
それぞれの関係に変化が生じるのだろうか。
私には子供の頃からの大の仲良しがいる。いつもずっと一緒にいた。
そう、雨の日も風の日も晴れた日も曇りの日も。春も夏も秋も当然冬も。
そしてそれが当り前のことだと思っていた。
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