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にてき。
「…すっごい美形の佐藤君って知ってる?」
次の日の放課後。
ちょっとだけ情報収集してみることにした。
「知ってるけど。てか、知らない奴なんていねぇんじゃねぇの?有名人だし。」
とは言っても、同じく掃除当番だった隼人に聞いてみただけだけど。
「俺は昨日初めて会うまで全然知らなかったんだけど、、、ていうか、有名人ってやっぱり芸能人か何かなのか?」
「いや、そっちの仕事してるって話は聞いたことないけど。まぁでも、あの顔で一般人の方がおかしいよな。」
「…だよね、、、」
笑った顔の破壊力何て凄まじかったもんな、、
俺が女子だったら一発でノックアウトだ、絶対。
「てか、何。会ったの?佐藤に。」
「うん。昨日さぁ、」
塵取りでゴミを集めながら、隼人に話して聞かせる。
「ふーん。で、どうする気なの?」
「…俺だって、一応言ったんだよ?別に仲良くないし、助けて貰っただけだって。」
て言ったにも関わらず、あの先生ったら「それはもう佐藤に気に入られたに違いないっ!」て余計興奮してしまった。
おまけに駄目押しのように、「久間田!お前だけが頼りなんだ!頼む!!」とすがり付かれた。
「…佐藤君ってそんなに問題児なのか?」
「…遅刻ばっかりで授業中はほとんど寝てるくせに、成績は学年トップ。話しかけても、「うん」と「めんどくさい」しか答えない。いつも無表情で何考えてるかわからない。めちゃくちゃモテて、誰が告白しても玉砕する。て、話はよく聞くな。」
…噂通りの人だとすれば、佐藤君はかなり変わった人物のようだ。
でも俺を助けてくれた佐藤君、は全然無表情じゃなかったし、普通に話しかけてくれたし。
仮に噂通りの振る舞いをしてたとしても、あの人は悪気が合ってしてるんじゃないと思うんだよな、何となく。
「……取りあえず、それとなく様子を見てこようかな。」
「じゃあ俺も面白そうだから着いてくわ。」
と言うわけで、隼人と二人。
隣の隣のクラスに向けて歩き出した。
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