6人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
第一章 プロローグ
俺、東雲凪兎は、記憶が欠落している。
理由はわからない。
というのも、教えてくれないのだ。
俺には両親と、姉がいる。
だが、両親も、姉も、口を揃えて知らない方がいい、というのだ。
記憶が欠落していなくとも、同じ状況下の人間であれば分かると思うのだが、俺はその事実を知りたいと思っている。
だが教えてくれない。
だから、俺はそんな『失った時を取り戻す旅』に出ることにした。
旅に出るなんて格好良く言ったはいいが、結局俺のすることなんて、特に何もない。
そう、なかったのだ。
あの出会いがあるまでは。
最初のコメントを投稿しよう!