第一章 プロローグ

1/1
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ

第一章 プロローグ

俺、東雲凪兎(しののめなぎと)は、記憶が欠落している。 理由はわからない。 というのも、教えてくれないのだ。 俺には両親と、姉がいる。 だが、両親も、姉も、口を揃えて知らない方がいい、というのだ。 記憶が欠落していなくとも、同じ状況下の人間であれば分かると思うのだが、俺はその事実を知りたいと思っている。 だが教えてくれない。 だから、俺はそんな『失った時を取り戻す旅』に出ることにした。 旅に出るなんて格好良く言ったはいいが、結局俺のすることなんて、特に何もない。 そう、なかったのだ。 あの出会いがあるまでは。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!