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「朝チュンってこれか······。いや、違うか」
隣には、素っ裸でいびきをかいて眠る太一。僕は一睡もできなかった。
お姫様抱っこで運ばれた僕は、ベッドに放り投げられた。起き上がる間もなく、跨ってきた太一に何度も何度も深く激しいキスをされた。
そして、太一はそのまま眠ってしまった。
眠れるはずもない僕は、この胸の高鳴りと苛立ちの理由を一晩考え続けた。
僕は太一が好きだ。そう結論づけるまで、さほど時間はかからなかった。
「····ふざけんなよ」
無性に腹が立ち、太一をベッドから蹴り落としてやった。
「んぉっ!? いってぇ····。あれ? なんでコタが俺のベッドに居んの?」
覚えてないときた。僕の純情を奪っておきながら。
「昨夜、お前に犯されたんだよ」
犯されたのは口だけだが、それは教えてやらない。
「え、お、おかっ、犯したぁ!!?」
「それはそれはもう、激しく」
「······え。えぇ〜、マジか。えっと、なんだ····ケツ大丈夫?」
「そうじゃねぇだろっ!!」
やっぱりボケ太一だ。そういう所が好きなんだが。もういっそカミングアウトしてやろうかと思った。
なのに、太一のアホが····。
「責任とふぁせてください」
「は?」
太一は深々と土下座をした。フローリングに額を叩きつけて。
「ごめ、噛んだ····」
「ちげーよ、そこじゃねーよ。なんつった?」
「責任、とらせてください」
「意味わかってんの? え? どういう意味で言ってんの?」
「えーっと、あのーぅ、はい、その····」
「ねぇ、太一はさ、僕の事どう思ってんの?」
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