待って……待って……

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「貴族の皆様、お初にお目にかかれて光栄です。私はセフィール・ナーデスです。セイ、とお呼びください。平民で恐縮ですが、どうぞ卒業までよろしくお願いいたします。 ……あぁ、見目麗しい皆様をこの腐った眼(マナコ)で拝見出来ること、大変嬉しく思いますわ」 私ことセイはあの3日間でこの学校生活をエンジョイすると決めた。 よくよく考えれば「もしや魔法学校って事はファンタジーなのでは……?ファンタジーって事はテンプレになるのでは……?」という計算式の下、貴族令息令嬢のみが通うと言う点を除き「ファンタジー小説あるあるの方向へ持っていこう!そしてあわよくばBLとGLを拝んでやろう!」と切り替え、地獄の様なマナーと礼儀作法を乗り越えた。身になっているか、と問われれば、そんなの無理に決まっておろう、と開き直り、無口な光属性持ちを印象付ければこっちのもんでは!?と計算していました。 ええ。いろいろ画策しようとしていました。 やっちまいましたね。 「…………」 「……」 「………………」 めちゃめちゃ白けてらっしゃる。 ダメかぁ?……腐ったの辺りは流石にダメだったかぁ。 「ふふ……」 ふふ? 「うふふ、あははは。貴女面白い発言なさいますのね? わたくしがお友達になって差し上げてもよろしいですわよ?」 ……なんか高圧的だな。しかも見たことある……。もしやフォイッターのTLで流れてきた“悪役令嬢フォールマー・ダ・イラゴドニム”って人じゃないか? 「○フォイだー!イラ・ドラゴニーム(呪文風)!!」って覚え方だったからたぶんあってる。名前で遊ぶな。 ここで「結構です」なんて言ったら、追い出される可能性大だな……。ん?てかこの子攻略対象で“主人公闇落ちエンド”の通称G√だった気がする。 A〜Gまでの7つのルートで最後にGLを推してくる公式…………そういうの、嫌いじゃないよ。残念ながらプレイしなかったけど。 「まあなんてフォル様はお優しいのかしら!」 「流石公爵様!」 ……下手な事言ったら、母上もろとも消されるな。権力だけで人殺せますし……うぅ、怖いよぉ。 ……まあずっと黙ってるのも礼儀に欠けるので、第一村人発見な感じでいこうと思う。 「まあ!公爵様が私の様なブタめにお声がけくださるなんて、そんな恐れ多い事……私は夢でもみているのでしょうか?……ちょっと失礼して……」 ガンッ グシャッ パラ…… 「あいたたたた。夢では、無いのですね……あら?こちらにありました教卓はどちらへ?」
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