0人が本棚に入れています
本棚に追加
「貴族の皆様、お初にお目にかかれて光栄です。私はセフィール・ナーデスです。セイ、とお呼びください。平民で恐縮ですが、どうぞ卒業までよろしくお願いいたします。
……あぁ、見目麗しい皆様をこの腐った眼(マナコ)で拝見出来ること、大変嬉しく思いますわ」
私ことセイはあの3日間でこの学校生活をエンジョイすると決めた。
よくよく考えれば「もしや魔法学校って事はファンタジーなのでは……?ファンタジーって事はテンプレになるのでは……?」という計算式の下、貴族令息令嬢のみが通うと言う点を除き「ファンタジー小説あるあるの方向へ持っていこう!そしてあわよくばBLとGLを拝んでやろう!」と切り替え、地獄の様なマナーと礼儀作法を乗り越えた。身になっているか、と問われれば、そんなの無理に決まっておろう、と開き直り、無口な光属性持ちを印象付ければこっちのもんでは!?と計算していました。
ええ。いろいろ画策しようとしていました。
やっちまいましたね。
「…………」
「……」
「………………」
めちゃめちゃ白けてらっしゃる。
ダメかぁ?……腐ったの辺りは流石にダメだったかぁ。
「ふふ……」
ふふ?
「うふふ、あははは。貴女面白い発言なさいますのね?
わたくしがお友達になって差し上げてもよろしいですわよ?」
……なんか高圧的だな。しかも見たことある……。もしやフォイッターのTLで流れてきた“悪役令嬢フォールマー・ダ・イラゴドニム”って人じゃないか?
「○フォイだー!イラ・ドラゴニーム(呪文風)!!」って覚え方だったからたぶんあってる。名前で遊ぶな。
ここで「結構です」なんて言ったら、追い出される可能性大だな……。ん?てかこの子攻略対象で“主人公闇落ちエンド”の通称G√だった気がする。
A〜Gまでの7つのルートで最後にGLを推してくる公式…………そういうの、嫌いじゃないよ。残念ながらプレイしなかったけど。
「まあなんてフォル様はお優しいのかしら!」
「流石公爵様!」
……下手な事言ったら、母上もろとも消されるな。権力だけで人殺せますし……うぅ、怖いよぉ。
……まあずっと黙ってるのも礼儀に欠けるので、第一村人発見な感じでいこうと思う。
「まあ!公爵様が私の様なブタめにお声がけくださるなんて、そんな恐れ多い事……私は夢でもみているのでしょうか?……ちょっと失礼して……」
ガンッ
グシャッ
パラ……
「あいたたたた。夢では、無いのですね……あら?こちらにありました教卓はどちらへ?」
最初のコメントを投稿しよう!