待って……待って……

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夢かどうか確認しようと教卓に足をぶつけてみたんだけど……あれれ~?おかしぃぞお?教卓が一瞬で消えちゃったぁ。 ……ついでにちゃんとセイが私である事も確認できました。謎。 「今、貴女何を……?」 「えっと夢かどうか痛みで確認しようとしただけです。それがいかがなさいましたか?」 「……そう」 フォールマーさんはそれっきり顔を合わせてくれなくなり、代わりに先生が後を継ぎ、私の紹介は終わった。 ∽∽∽ 「セイさんセイさん」 「光属性の魔力みせていただけません?」 「今朝の紹介なかなか傑作でしたわよ」 褒められているのか貶されてているのか……褒め言葉として受け取っておこう。 「授業では見れませんでしたもの!」 「さあ!」 「えっとぉ」 クラスメイトのお嬢様達の好奇心、怖いな。 けど、テキトーな事言って誤魔化すのも面倒。 まあ、いいか。 「だいぶ眩しいので、お気をつけてださいね」 と一言申し上げて、魔力なんて扱ったこと無いので“なんか出てこーい”と念じながら両手を掲げる。 「きゃー!!!!」 「うわっ!!」 「眩しいですわ!!!!」 「(だから言ったのに)」 あの時の水晶玉を光らせた時並の輝き方をしてしまい、きゃいのきゃいの言っていたお嬢様方は案の定目をヤってしまったらしい。 ……あの人みたい。誰とは言わないけど。 「何だこの光は!」 おや?イケボな男性の声がする。 「校内で無断で魔力を扱う事は禁じられている!誰がやっている!」 まじ?知らんがなって言いたいぞ……。まあそんなイイワケ聞いてくれないと思うので素直に申し出ましょ。そしてちゃっちゃとこの騒動を終わりにしなきゃな。 発現方法はわかっても収納?方法は知らない……ならば“戻ってこーい”と念じてみる。 するとみるみる輝きは失っていき、やがて消えた。 やった!成功だ!!(某ゲームの過去やら未来やらへ行く男の子風) 「も、申し訳ありません。私が持つ光の魔力が物珍しいそうで、皆様にお見せしておりました。無断使用が禁則事項とは知らず、大変ご迷惑をお掛けし、このセフィール、ここから飛び降りて……」 「待て待て待て待て。そこまでする必要はn」 「……?」 お貴族様方に囲まれてる平民の私に出来る事と言えばそんなに無い。出来るのは命を差し出す程度だと思うのだけど……止められてしまっては仕方ない。 窓枠に掛けていた足を下ろし、言葉を止めたイケボを見る。 振り返ればそこにはガチで王子様みたいな見た目の男性……と言うより、この方、マジで本物の王子様じゃん。 ……。 ……………。 ……………………。 攻略キャラじゃん!!!
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