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「でっ、でもっ、この前もそう言ってギリギリだったっ、んっ。」
ぴちゃり…と耳殻を弄られる。ダイレクトに感じる音が益々俺の逃げ場を無くしていく。
「大丈夫だって…。絶対間に合うから。な、お願い……。」
ズルい男はどこまでもズルい。
ノブのお願いに俺が断れる訳ない事なんて分かっているのに。
いつも下手に出ているようで自分の思い通りにコトを進めてしまう。
でもそんな男に惚れたのが悪い。結局俺の愛の方が重いのだろうとそう結論づけて諦める。
「ふぅ、んぅ…。」
「ヒロ……。」
俺の名前を切なげに呼ぶ。そんな声で呼ばれたら俺がどうなってしまうのか知ってるくせに。
俺は首を何とか後ろに向けて捻るとノブの顔を仰ぎ見る。
「ノ、ノブの、ばっか…。」
悔しいからそう詰ったら、ノブの腕の力が強まって噛みつくようにキスをされた。
「んーぅ、んーんんー。」
息苦しくて呻くような声が出てきた。息苦しくて、若干涙目になってもう一度ノブを睨んだら、
「そういう顔、誰にも見せるなよ。」
と言われて更に深く唇を重ねてきた。
ぬめりを帯びたノブの舌が俺の口内で暴れてる。優しさとは無縁の動きで俺の舌を探り絡めては撫でる。
溢れる唾液がぴちゃぴちゃと音を立ててさらに俺の熱を煽った。
「んっ、ノ、ノブッ。」
このままじゃ本当に流されてしまう…。
今やノブは俺に覆いかぶさるようにキスをしていて、いつの間にか俺の身体はノブの足の間に挟まれた状態だ。逃さないという意思の表れのように。
キスの濃厚さから俺の身体が徐々に体温をあげてくる。それに気づいたノブはさすがに態勢が厳しかったのもあって、一度身体を起こすと今度は俺をソファーに引っ張り上げた。
「うわぁ。」
「こっちの方がいいだろ。」
俺があたふたしている隙に、ノブは俺を組み敷いていて。さっきのキスで僅かに反応した俺自身に自分の腰を押し付けてきた。
「あっ、ちょ、ダメ、ダメだって、んっ。」
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