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「なぁ、今日何曜日・・・」
夏休みに入り、大学生の俺たちは、バイト休みの時はコレといってやることがない。
つまりは暇って事だ。
「んぁ~・・・・・・。何曜日・・・何曜日・・・。ってか何日なんだよ、今日」
憎たらしい程の長い脚がソファーからはみ出している。
ほんと、そういう所神様って不公平だよな。
「ノブ、そこは覚えておこうぜ」
嘆息気味にそう答えた俺は、同じようにソファーに横になったって
脚なんてはみ出さない。
こんにゃろ、こんにゃろっ。
って意味を込めてノブのお腹に猫パンチをお見舞いする。
「・・・っ。いてぇって。」
さっきまでまるで無気力な顔つきだったのに、今度はちょっと焦ったような顔で俺の拳をつかむ。
「何だよ、ヒロ。もしかして欲求不満か?」
途端にニヤニヤした顔つきになる顔面偏差値の高い幼馴染みは、俺のコンプレックスを思いっきり打ち砕く。
「そんなんじゃねぇっ」
平凡を絵に描いたような俺に色恋のなんちゃらなんて全然ないって分かって言ってるんだ。
いつもそう。
いつもノブは俺よりも大人びた仕草で俺を揶揄う。
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