メグちゃん

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 とうとう我慢できなくなったYは急いで荷物を持って、ぬいぐるみの方は見ないようにしながら部屋を出る。 「おばさん、ごめんなさい。今日はもう帰ります!」  そう口早に言うと、居間の方からメグちゃんのお母さんが出てきた。そして、急に帰ろうとするYを不思議がる様子もなく、 「ごめんなさいね、うちのメグが」  抑揚のない声で、そう言った。それもまた不気味で、  「お邪魔しました!」  慌ててYが背を向けて玄関から出るとき、その背中に、 「チッ」  という舌打ちがぶつけられたという。
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