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それは、ある夜のコールから始まった。
国立東京天文センターに、一本の電話が入った。
電話に出たのは、ちょっと頼りない宿直員の天川で‥‥
「はい、もしもし、東京天文センターです」
『あれ? そっちでは分かってないんですか? 今どえらいヤツが来てますけど‥‥』
「はい? なんの事ですか?」
『多分、隕石だと思うんです‥‥。そちらの望遠鏡、捉えてないんですか?』
「今日は日曜日なんで、望遠鏡はコンピュータ管理なんですよ‥‥。
で、捉えた画像は、あした解析予定なんですね。
って言うか‥‥、本当に隕石なんですか?』
『多分‥‥』
「失礼ですが、貴方は?」
『アマチュワ天文家の田村です』
「あー、田村さんですか。じゃ、信頼できそうですね‥‥。ご連絡、ありがとう御座いました。一応、何か問題があったりした場合は後日、ホームページなどで公表しますので」
『分かりました。では‥‥失礼します』
電話を切った天川は、といあえず反射望遠鏡の接眼レンズを覗いてから、画像をモニターに出した。
そこには確かに、妙な天体が映っていた。
その瞬間「おー」とモニターを見詰めた。
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