Eighth

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「会社の奴らが信用できないわけじゃない。むしろ凄く信頼してる。でもプライベートな部分は歩が知ってくれていればそれでいい。だからこれからも特別誰にも言うつもりはない」 そうは言いつつも、自分からは公言しないだけできっと聞かれたら言うのだろう。 綾人さんは、そういう人だ。 「……じゃあ、これからも私は黙っています」 私からは言いません。そう言うと意地悪そうに微笑んだ。 それからしばらく景色を眺め、カフェラテを飲みながら様々な話をした。 仕事のこと、家のこと、両親のこと。 私達はまだ、お互いのことを知らなさすぎるのかもしれない。 「あの、聞いてもいいですか?」 「何だ?」 「えっと……」 「どうした?」 「いや、自分からこんなこと聞くのも恥ずかしいなって改めて思ったんですけど」 「……ん?」 どうしても、気になってしまったから。 「綾人さんって、いつから私のこと……その、好きでいてくれてたんですか?」 自分で聞いておいて、顔が真っ赤に染まった。 「……聞く?」 「……はい。聞きたいです」 「……ずっと前からだ、って言ったら、引かれそうだな」 「……ずっと前って」 いつだろう。ケーキバイキングで会った時?それよりも前?後? そんな素振りはあっただろうか。真剣に悩む。 綾人さんは私が考えているのを照れ臭そうに見つめつつも、答えを先に言おうとはしない。 それでも私も聞いてしまったからには答えを聞かないとすっきりできない。 恥ずかしさを堪えながらも綾人さんを見つめる。 「……最初っから」 降参したかのように口を開いた綾人さんに、私は視線を奪われた。
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