First

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***** 「で!?それで!?婚約指輪はどうしたの!?」 「さすがに仕事には着けて来られないからねー、家にあるよ」 見たかったー!と叫ぶ相田に、苦笑いが溢れる。 「写真ならあるよ」 「見たい!」 ガバッと身を乗り出してきたため写真を表示したスマホの画面を見せた。 写真越しでも指輪はキラキラと輝いているのがわかり、相田の目尻がまた下がる。 「はぁー……いいなあ。幸せそうだなあ」 「ふふ、うん」 「金山、おめでとう」 「……ありがとう」 そう言ってにっこり笑ってくれるから、私も自然と笑顔になる。 「本当に嬉しい。私関係無いのになんかすんごい嬉しい!本当おめでとう!」 「ははっ、何で相田が泣きそうなのさ」 こうやって自分のことみたいに喜んで祝ってくれる友人がいるというのは、すごくありがたいことだ。 その後は相田が"婚約祝いだ!"と言って何件もハシゴさせられ、気が付けば日を跨いでいたのだった。 週明けの月曜日。 私の一週間は、不愉快なアラーム音で始まる。 好きな曲をアラームに設定していた高校生時代。その曲がトラウマになるほどに嫌いになってしまってからは、対して興味も無い機械音をアラームに設定している。 そんな私は会社の最寄駅から地下鉄で十分。そこから歩いて十五分のマンションに住んでいる。 新しい物件では無いものの、一人暮らしには十分すぎるくらい広い室内。 朝起きて、まずは朝食を準備して"いただきます"と手を合わせると、毎日決まってはちみつたっぷりのヨーグルトとフルーツ、そして甘いココアを飲む。 そして準備をしていざ出勤。 出勤するとまず私よりも先にいる飛成課長にコーヒーを淹れる。 飛成課長がチーフだった頃、つまり私の入社時すぐからの私の日課のため、今でも毎朝の私の役目だ。
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