First

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「恋人には笑うんですかね」 「……どうなんだろうね」 「チーフは気にならないんですか?」 「何で?」 「だってチーフは何年も前から課長と仕事してて仲も良いじゃないですか。本人に聞いたことないんですか?」 「別に直属の上司だっていうだけで特別仲が良いわけでも無いと思うんだけど……社内の男性をそういう目で見たことがないからなあ」 課長だって私のことはコーヒー担当の部下としか見ていないだろうし。 「えぇ!?めちゃくちゃ仲良しじゃないですか!課長って私とチーフじゃ接し方全然違いますよ!?」 ……それは白石ちゃんが眼福とか言っているからでは……? なんて言葉は胸にしまう。 「それにもったいないですよ、チーフ綺麗だからモテるのに!」 「え?」 「知らないんですか?課長と同じくらいチーフも隠れファンが多いんですよ!」 思い掛けない情報に、驚いてなんだか頭が痛む。 「いや私彼氏いるし」 「え!?そうなんですか!?」 「う、うん……」 自分で言うのも何だが、確かに私の容姿は恵まれている方だと思う。 相田に言わせれば、私は"可愛いというより綺麗系"らしい。 昔から周りの人にも同じようなことを言われていたために自分が周りからどう見られているかくらいはわかっている。 人並みに恋人もいた。あまり長続きせずに別れることが多かったが。 白石ちゃんはまだまだ聞きたそうな雰囲気だったものの、一先ず始業時間が迫っていた為会話を辞めて仕事に取りかかった。
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