Sixth

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「……これくらいで腰抜けるようなら、朝まで持たないぞ?」 「あっ……朝まで……!?」 「もちろん。今日は寝かすつもり、無いから」 「せ、せめて晩ご飯食べてシャワー入りたいです……」 「じゃあ俺ん家で飯食って一緒に風呂入れば解決だな」 「一緒に!?」 「何だよ、何か文句ある?」 「……無いです……」 言いくるめられた気しかしない。一緒にお風呂だなんて、心の準備が……。 「あー……先に歩ん家寄るんだっけか?」 「はい。お泊りの用意してあるので取りに行きたいです……」 「男に口説かれてる場合じゃ無いだろ」 「……否めません」 このまま腰の抜けかけた私を支えながら会社の表に出るのはリスクが高いということで、そのまま街灯の無い暗い裏を通って会社の敷地を出る。 丁度走っていたタクシーを捕まえることができたため、そのまま拾って二人で後部座席に乗り込んだ。 一先ず私の自宅へ向かい、準備しておいた鞄を持つ。 ついでと言っては何だが、たまには女らしいところを見せたいと思って昨日から仕込んでおいたおかず数種類もタッパーに入れた。 実を言うと、なんだかんだ忙しくてあまり予定が合わず、今日が付き合ってから初めてのお泊まりなのだ。 私だって一応料理ができるのだと、知ってもらわないと。 そして綾人さんの好みの味を覚えなくては。 荷物を持って待ってくれているタクシーの元に戻った。
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