Seventh

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「でも多分、堀井さんにはバレたな」 「えっ!?」 「俺も焦って大分わかりやすいことしちゃったからな……」 でも確かにそうかもしれない。堀井さんにバラされたらどうしよう。 ……と思ったけど、もう東京帰るんだったっけ。……良かった。 「……そう言えば、綾人さんは何であの場に来たんですか?」 偶然にしては出来過ぎなタイミングだし、急いで来たように見えた。 「ん?あぁ、……相田が教えてくれたんだ」 「相田が!?」 「あぁ。早く帰りたくて急いで仕事してたら電話来た。 "金山があの都会男に口説かれてますよ!金山ああいうの断るの慣れてないから早く助けに行ったほうがいいですよ!"だとさ」 「ははは……」 「情けないことに、それ聞いたら体が勝手に動いててな。気付いたら考え無しにお前を背中に隠してた。あんなことしたら俺がその"恋人"だってバレるに決まってるのにな」 「……でも、嬉しかったです」 「……それなら良かった」 もう一度抱きしめる力を強めた時、お風呂が沸いた音が鳴って。 「……一緒に入るか」 「……恥ずかしいです」 「何を今更」 小さく笑った後にキスを落とした綾人さん。 「ほら、行くぞ」 初めて一緒に入るお風呂。私は浴室に入る前からガチガチに緊張していた。
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