Seventh

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「ほら、早く入るぞ」 「……さ、先に入りますっ!身体洗うので、待っててくださいっ」 「……わかったよ」 少し不服そうだったものの、綾人さんはしぶしぶ了承して脱衣所から出て行く。 私は服を脱ぎ、浴室に入って急いで全身を洗った。 さっぱりした状態で髪の毛を結び直し、湯船に浸かる。 そのタイミングで浴室の扉に影ができた。 「そろそろいいか?」 「……はい。お待たせしました……」 声が上擦ったのには気づかないフリをして、私はドアに背を向けるように身体をお湯に沈み込ませる。 とは言え、入浴剤も入っていないからか角度によっては丸見えだろう。 それがまた恥ずかしくて体操座りをして身体を隠した。 後ろからドアが開く音がして、綾人さんが入ってきたのがわかる。 シャワーの音を背に、私はひたすら身を固めていた。 そして。 「……入るぞ」 「……は、はい」 隣に足が見えて、ぎゅっと目を瞑る。 「……そこまで緊張するか?」 「しますよ。お風呂はまた別って言うか……とにかく緊張しますっ」 綾人さんは湯船に浸かると、私をそっと抱き寄せた。 そして足の間に私を座らせ、後ろから抱きしめるように私の胸の前で腕を組む。 「はぁー……落ち着く」 しみじみと呟いた声に、私は緊張でどうにかなりそうだなんて言えるわけもない。 「……歩」 「はい」 呼ばれて視線だけを後ろに向けると、私と同じくらい頰を赤く染めた綾人さんがいた。 視線が絡み合い、どちらからともなくキスを交わす。 気が付けば綾人さんの手は私の胸に伸びており、手を動かすたびにお湯が揺れて水音が浴室に響く。 「っ……はぁっ……」 温かなお湯の中だからか、いつもよりもさらに敏感になってしまう私の身体。 優しく、温かい綾人さんの手付きに何度も甘い吐息を漏らす。 手が下に伸びて私の秘部に触れた時。 「……ひあっ……!」 甲高い声が溢れた。 そのまま指が入り込んできて、私の中を掻き乱す。 お湯が入り込んできて、温かなその感覚に頭がクラクラした。 その刺激に思考をもっていかれていると、忘れるなと言いたげに激しいキスが私を襲う。 呼吸をもっていかれ、その苦しさの中でも刺激と快感に身を捩る。 のぼせてきたこともあり、次第に身体から力が抜ける。 いつの間にか綾人さんと向かい合うようになっており、その首に手を回して身を預ける。 「……のぼせた?」 コクンと頷くと、そっと私を抱き上げて浴室を出た。 バスタオルを身体に巻かれ、脱衣所にそっと座らされた。その頃にはもうクタクタで。 渡された水を飲んで、呼吸を整える。 「言ったろ?今日は寝かせるつもり無いって。これくらいでへばられたら持たねぇぞ」 「……ははは」 寝室に連れて行かれた後は、先程の続きとばかりに散々鳴かされて。 私は朝を迎える前に気を失うように眠りについていた。
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