Seventh

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「近場だとバレる可能性があるから遠出しか出来なくてな。そうなると最近忙しくて中々来れなかったから。今日晴れて良かったよ」 「……綾人さん、ありがとうございます。嬉しいです」 私のために色々考えてくれたのだと思うと胸がキュンとする。 きゅっと繋がれた手。嬉しくて握る手に力を込めた。 「綾人さん、写真撮りましょうよ!」 「写真?」 「はい。二人で。ひまわり畑をバックに」 「そうだな。記念に一枚撮るか」 他の観光の人にシャッターをお願いして一枚写真を撮ってもらう。 恥ずかしくて手を離そうかと思ったけれど、綾人さんはそれを許してくれずに繋いだまま。 「仲良しですね」 なんて快く引き受けてくれたお姉さんに揶揄われながらも空いた手でピースをした。 「後で写真送りますね」 「あぁ」 思い出が、一つ増えた。 「アイスでも食べに行かないか?」 「行きます!」 「ははっ、じゃあ行こう」 車に揺られてアイスを食べに行き、二人でシェアして。 帰り道は高速ではなく下道を通って行き、気になるお店があればそこに寄ったりして。 楽しい休日のプチ旅行を終えた。 帰ってきたのは綾人さんの家で。 「少し服も置いてって良いから」 「いいんですか?」 「あぁ。その方が色々と楽だろ」 「……ふふ、わかりました」 照れたような綾人さんが、愛おしかった。
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