Seventh

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***** side綾人 それは、大学生の時だった。当時十九歳だった俺は、国公立大学の経済学部の二年に在籍していた。 当時は勉強と並行してコンビニでアルバイトもして、さらには小さい頃から続けていたサッカーのサークルにも入り、自分でも驚くほどに目まぐるしく忙しい毎日を送っていた。 昔から、仲の良い友達に自分は甘い物好きだと言うと"その顔で!?意外!"とからかわれていたため、隠しているわけではなかったものの聞かれない限り言わなかったため知らない人もそこそこいたと思う。 そもそも俺は友達と呼べる存在もそこまで多くなくて。人脈も限られたものだった。 そんな時に付き合ったのが、サークルのマネージャーをしていた同級生。ハルカだった。 ハルカとは構内で出会い、何故か俺のことを気に入ってくれたらしく経験も無いサッカーのサークルに追いかけるように入ってきた。 今考えれば中々に積極的な子だったんだと思う。 それは俺に対するアプローチにも言えることで。 「飛成君!お疲れ!これ使って」 「あぁ、ありがとう」 ミニゲームを終えると毎度一番にタオルを持って来るハルカ。 「飛成君、今日か明日、勉強教えてくれないかな?」 「俺が?教えられる程頭良くないけど」 「何言ってんの。飛成君いっつも成績良いじゃん!」 「買い被りすぎだろ」 「そんなことないよ!お願い!」 「わかったよ。講義終わってからで良いか?」 「ありがとう!」 「じゃあ終わったら連絡するから」 「うん!よろしくお願いします!」 試験前にはハルカに圧されるように承諾して二人で勉強会をして。 「飛成君!隣いい?」 「え?あぁ……」 「飛成君今日シュート二本決めてたね!凄かった!」 「大したことないよ。何本も外したし」 「謙遜しすぎ!」 試合の後の打ち上げでは毎度のように隣に来てずっと話しかけてきていた。別にそれは苦でもなんでもなく、未経験ながらどんどんサッカーに詳しくなっていくハルカに感心さえした。努力家なんだなと思った。 そんなハルカのアプローチは周りから見ればわかりやすすぎるくらいわかりやすかったようだが、俺はその時から恋愛に疎くて、あまり気にしていなかった。
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