ムシャクシャするので人事部長を抱いてやろうとしたら、やっぱり返り討ちにあった件

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ムシャクシャするので人事部長を抱いてやろうとしたら、やっぱり返り討ちにあった件

無茶な辞令によって営業3課に配属になって早3ヶ月。黙々と仕事に取り掛かっているが、慣れない営業のサポートにストレスフルな毎日である。 本日などは同行した営業先で、「どうせ同行してきてくれるなら、もっと若くて可愛い子がよかった」なんて、このご時世にまさかのセクハラ発言なんかをかまされて、その理不尽さに泣きそうになるやら悔しいやらで、非常にムシャクシャしているのだった。 こんなにムシャクシャする日はサプライズ人事とやらを発令した張本人で、セフレでもある人事部長の佐藤俊生に八つ当たりするに限る。 早速携帯に「本日とってもムシャクシャするので抱かせて下さい」とメッセージを送信してやると、すぐさま「了解。では食事をしてからにしましょう。場所はこちらで手配します。」との返信が届いたのだった。 よし、約束は取り付けた。 それでは、私、本日これから人事部長こと佐藤俊生をめっちゃくちゃに抱いてやろうと思います!! 待ち合わせに現れた佐藤俊生は本日も悔しいくらいに整った顔。仕事終わりだというのに疲れも見せずにツンと澄ましているものだから、なんだかいよいよ腹が立ってくる。 取り澄ました表情をなんとか乱してやりたくなって、人事部長に胸を押し付けながら腕を絡ませると、 「今日は人事部長さんを、ギッタギタのメッタメタに犯してやりますから、覚悟しておいて下さいね。」 と、どこかのアニメで聞いたような理不尽な台詞を耳元でわざと色っぽく囁いてやる。 すると佐藤俊生は情の薄そうなクールな表情を一瞬、驚いたような困惑するような感じに歪ませた後、耳を赤くしながらメガネを押し上げて、 「さっきのメッセージといい、なんでこちらが抱かれる側なんですか?普通に考えたら、大山さんが抱かれるほうでしょう?」 と、言うのだった。 うん、普通はそうですよねー。でも、ざんねーん!本日、人事部長さんは、私にいやらしく抱かれちゃうのです!! そう高らかに宣言して、体をピッタリ佐藤俊生に密着させると、夜の繁華街へと足を運ぶのだった。 佐藤俊生に連れられてきたのは行きつけの焼き鳥屋……ではなく、駅前の高級ホテルのレストランだった。あれれなんだろ。珍しい。 目を白黒させる私に「いつも頑張ってる大山さんにご褒美ですよ」なんて、滅多に拝めない甘やかな表情で語りかける人事部長。 たまにしか見せないイケメンのその表情の破壊力たるや、思わずときめいてしまって腰が砕けてしまいそうになる。 はわわ。やだもうカッコいい!ステキ!!もうどうにでもしてぇん!!! ……おっといけない。どうにでもされちゃうのは私ではない。本日は私が佐藤俊生をあんあん言わせて、「もうどうにでもしてえんっ」と言わせたいのだ。 気を取り直して、レストランで少しのお酒と美味しいお料理を堪能してお店を出たならいよいよ本題。「どちらのホテルに行きますか?」なーんて聞いてみると、「今日はここのホテルを予約してるんですよ。」なんて言われてそのままフロントでチェックイン。 案内されたのは、なんと夜景がキレイなスイートルームなのであった。 なにこれ!一体どうしたということか。 「キレイ……でも、どうしてこんなお部屋……?」 夜景を見ながらと思わず呟くと、 「これも、いつも頑張っている大山さんへのご褒美ですよ。」 と、佐藤俊生は背後から腕を回してそっと私を抱きしめ、首筋にキスをするのだった。 やだもうなに、この素敵シチュエーション!! 抱いて!! 予想していなかった佐藤俊生の優しさに、思わずこちらもガバリと抱きつき身を投げ出してみるが、いかんいかん。 今日は私がこのイケメンをあんあん鳴かせてやりたいのだ。 べりりと身を慌てて剥がして気を取り直すと、コトが始まる合図として、 「うれしい。じゃあ私、お礼にこれから、俊生さんをぐっちゃぐちゃに乱して、気持ちよくさせちゃいますからね?」 と、人事部長の名前を耳元で囁くと、そのまま彼の首に腕を回して唇を奪ってやったのだった。 「んふふ。それでは、これから俊生さんにえっちなキスをしたいと思いまあ〜す♡」 再度飛びかかるように唇を重ねた後、相変わらずふわふわした佐藤俊生の唇を、フニフニと堪能してから唇をはむりと食み、舌と歯で扱いてやる。 少し口が開かれるとそのまま舌を中に押しやり口内を蹂躪し、佐藤俊生の舌を探し当て、舌と舌を絡ませてやる。 佐藤俊生が胸を触ってこようと手を伸ばしてくるが、「俊生さんは、今日は私に犯されてるんだから触っちゃダメ〜。」とその手を払い除ける。 顔の角度を少しずつ変えながら、深くキスをしながら耳たぶをふわふわ触ってあげる。 その後は右手をシャツの下に滑り込ませて慎ましやかな乳首をカリカリ指で弾いてあげて、反対側の乳首は舌でチロチロ転がすと、ピクピク体を震わせる佐藤俊生。 「俊生()()はぁ、相変わらず乳首が弱くて可愛らしいですね♡」 可愛い子にはサービスしちゃうぞ♡と、軽く歯を立ててみると、「んうっ」なんて声を出して、更にビクビク体を波打たせる佐藤俊生。 はわ〜っ いつもは偉そうでクールな男子が半裸で責められ、身悶えする姿、たまらん!! 恥ずかしそうにイケメンは顔を隠そうとするので、手を押さえて、「隠しちゃだめ♡可愛いお顔よく見せて?」と、言う私。 会社のみんなは、人事部長がこんなに本当は可愛くてエロいこと、知らないんだもんねぇ♡ 知られたら、毎日みんなに犯されちゃうかもしれませんよね♡ 毎日みんなに乳首コリコリされちゃったらどうします?嬉しい?あんあん言っちゃう? 徐々にぷくりと立ち上がってきた乳首を更に擦り合わせて言葉責めにしてあげる。 佐藤俊生が男女問わず乳首を責られあんあん言っちゃう姿を想像すると、なぜだかこちらまでじんわり気持ちよくなってきてしまったりして。 俊生くん、気持ちよさそうね♡ でもね、もっと気持ちよくなっちゃおうね? そう言いながら下腹部に手を伸ばし、既に熱くたぎらせ露が溢れる先端をすりすり擦ってみると、 「んあっ!さ、触っちゃダメですって!!」 と、女の子みたいな声を出す佐藤俊生。 いやいやいやいや、そんなん可愛い声を出されたら、もっと触ってあげたくなるのが人の常ですよね? 腰をくねらせ逃げようとする佐藤俊生を捕まえて、可愛い♡俊生くん、好き♡大好き♡と言いながら、はむりとアイスキャンディーみたいに咥えてみると「んんぅぅっ」とこれまた可愛らしい声を上げてくれるので、もっともっと気持ちよくしてあげたくなる。 上下に扱いたり先端の周りをクルクル舐め回したり。 そんなことをくり返していると、段々佐藤俊生の身体が強張ってきたので、「私の可愛い俊生くんはそろそろ限界なのかな♡」なんて声をかけてみたところ、されるがままになっていた佐藤俊生は突然ガバリと起き上がり、 「おイタはそこまで。もう交代ですよ。」 そう言って怪しく目を光らせ、あっという間に私を組み敷くのだった。 逃げられないよう両手首をホールドされて、身体中に唇を這わされれば、もうイチコロ。 「人を言葉責めにしておいて、こんなぐしょぐしょに濡らしてるなんて……俺のお姫様はとんだ変態だな。」 そんなことを言いながら、私が好きなポイント全て唇を這わせる佐藤俊生は、先程までされるがままになっていた人と同一人物だなんて思えないくらいの荒々しさ。 「んっああんっ、だ、だって俊生くんが可愛いすぎるからっ♡見てて気持ちよくなってきちゃったんだもんっ!!」 全ては佐藤俊生が可愛すぎるせい。 そう弁明しながらも、自分のしたことをされ返されて、どんどん気持ちよくなってきてしまう私。 その後、中に熱くて硬いものが遠慮のない感じで入ってきて、グリグリ擦り上げられたり、奥へ抉る様に動かれるものだから、 「ぁあん!それ、それだめえ!それ好きぃ!!」 なんてあられもない声が出しながら、たちまち絶頂へと導かれてしまったのだった。 ……そして余韻に浸りながら、佐藤俊生は汗ばんだ私の額に張り付いていた髪を直しながら、「で、今日は一体何があったの?」と聞いてくるのだった。 今日の出来事をかいつまんで話した後、仕事の場面で人を可愛い可愛くないとか、若いかどうかで評価するのは残酷だと思わずポロリと本音が出てしまった。 しまった。弱音を吐くつもりではなかったのだが、と慌てて佐藤俊生の顔を見ると、恐ろしい程に怒りの表情を見せている。 「客先だから手は出せませんが、社内だったら制裁レベルの案件ですね。」 そして佐藤俊生は、可哀想に、よくがんばってきたねと優しく抱きしめてくれて、頭を撫でてくれるのだった。 理不尽な対応になんだかんだで傷ついていたのだろうか、佐藤俊生にそんなことをされた私は、ついうっかり肩を借りて少し泣いてしまったのだった。 「……大変だったら、辞めてもいいんですよ?」 と、佐藤俊生が口を開く。 えっ?!なに?このタイミングでクビ宣告? なんというトラップ!エゲツなさ!! びっくりしすぎて、あっと言う間に涙は引っこんでしまう。 ガバリと頭を起こして恨めしそうに佐藤俊生の顔を見ると、「違う違う、そう言う意味じゃなくて。」と慌てた表情。 「もし、辛くて会社を辞めたとしても、大山さんを養えるくらいの稼ぎはあるから、俺と、結婚しませんか?って言いたくて。」 そう言う佐藤俊生の手にはいつの間に用意していたのか、小さなケースの中で光る、ダイヤモンドの指輪があった。 え?え?え? どういう展開? なんなのこれ? 多分プロポーズされてるのだろうけど、どうしてそういう流れになったのか全然理解できない。 と、いうか我々まだそういう仲になってまだ3か月だし、もっと言うならそもそも付き合ってないし。 慌てる私に、 「月日なんて関係ないし、そもそも俺は最初から付き合ってるつもりだったけど?」と佐藤俊生。 「それに好きでもない相手と、いくらなんでも延長で相談とか言いながら、時間外まで対応する訳ないでしょ?」 え?え?え? じゃ一番最初のあの時から、佐藤俊生は私のこと好きだったの??なんで?何がきっかけで??あんなケンカ腰で面談してたのに??? 「勢いがあって面白くて、目がキラキラ輝いていて可愛いから、仲良くなりたいな、なんて思って飲みに誘ったらまさかホテルにお持ち帰りされるとは思わなかったけどね。」 色々な手間が省けてよかったと、ニッコリ悪い顔で微笑む佐藤俊生。 「俺としては、大山さんが仕事を辞めてもいいし、続けてももちろんいいと思ってる。けどね、君が結婚する相手は俺だから。急な話でビックリしてるかもしれないけれど、これから一緒にじっくり将来のことを考えて行こうね?」 益々悪い顔で微笑む佐藤俊生に恐る恐る、念の為聞きますがと前置きをして、結婚しないという方向は?と聞いてみると、 「だってあの日、ホテルに連れ込んだのは大山さんだからねえ?責任とってもらわないとねえ?」 と、痛いところをつかれてしまうのだった。 うーん。結婚、結婚かあ。 全然そんなの考えたことがなかったけれど、このイケメンでちょっと悪賢いけど、可愛らしい人事部長と毎日暮らしていくのも悪くないのかもしれない。 ……佐藤さん。いえ、俊生さん。 仕事、私、負けず嫌いだからこのままの状態では辞めませんよ? 夜はお胸を、はむはむしちゃいますよ? たまにムシャクシャして襲っちゃうかもしれませんよ? それでも、いいなら……私と結婚して下さい!! そう言って、佐藤俊生に飛びつく私なのだった。 ぎゅうぎゅう抱き合いながら、ふと疑問に思うことを聞いてみる。 「ところでどうして今日このタイミングでプロポーズをしようと思ったんですか?」 「連絡もらったメッセージが、なんだかメンタル弱ってそうだったから、今プロポーズしたら受け入れてもらえるかなと思って……」 ズルい考えで申し訳ないと肩を竦めて謝罪するイケメンが可愛らしいので思わず笑って許してしまう。 指輪はいつ用意したのかと聞くと、初めてホテルに行った次の日には指輪を買いに行ったという返答。 いや、見切り発車もいいところじゃね??? 「大分頭の中がお花畑になっていたようですね。」 と、言いながら指輪をはめてみるが、案の定サイズはブカブカ。後で買ったお店にお直しをしに行きましょうね、と約束しながら、どんな顔でサイズも合わない指輪をこのイケメンは買ったのだろうかと想像して、思わずニヤニヤしてしまう私なのだった。 以上、ムシャクシャして人事部長を襲ってみたら、返り討ちにあった上、プロポーズまでされちゃったってお話は、ハッピーエンドで、これにておしまい!
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