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由紀ちゃんは、ボクのモノ
それは僕が幼い頃に仲が良かった姉、由紀ちゃんとのお話。
何気ない授業に聞く耳なんて持てないよ、だって其れは役に立たないでしょ?
友達の群れるのも嫌いだな、退屈で夏の暑さが分からない。
これから家に帰ってシャワー浴びて宿題に四苦八苦しては
「なぜ、こんな簡単な問題が分からないのか」
「そもそもあの子は由紀と違ってやる気ないのよ、失望したわ」
両親は決まって僕を虐げる。
この世界ですら居場所が無いし、誰も受け入れてくれない。
「帰っても、意味ないな」
いっその事、家出して困らせようと思った、でも由紀ちゃんが心配するからやっぱり帰ろう。
ふと帰り道に静寂が失われる。
救急車の音だ、家の近くかもしれない。
不思議と気にもならなかった、だって結局その場で心配してもそれもほんの一瞬だからね。
都合よく悲しむフリも心から喜ぶことも出来ないし。
こんな僕だからかもしれない。
両親が悲惨な状態で見つかった時は、悲しみなんかなくて寧ろ救われた開放感の方が強かった。
ところで両親の悲惨な状況の死体、写メ撮った人いる?
居るわけないか、僕を除いて。
由紀ちゃんが居なくなった、両親が亡くなった日に姿を消した。
もうわかってるよ、一緒に殺すって約束したのに。
由紀ちゃん聞いてる?
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