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そんな事をぼーっと考えて鏡を見ていたら、サラッと後ろから蓮に抱きしめられていた。
『ねー暑い、離してよ』
「怒ってんのー?」
『別に怒ってないよ』
「怒ってんじゃん〜ごめんね」
『だから、いいってばー。今離れてくれないと怒る』
「んーじゃあ、怒っていいよ」
『は??んっ……』
後ろから抱きしめられたまま、顎を掴んで上を向かされると、斜め上から蓮のキスが降ってきた。
このチャラい見た目通り、やっぱりキスも上手いしセックスも上手い。それでいて顔もまぁまぁ良くて、背も私より高い174cm。
しみじみと、セフレの中でも1番だなとキスをしながら満足感に浸っていた。
「…ん?なんでニヤついてるの?」
『いや?ニヤついてない。どいてー』
「んー、やっぱやだ」
『ちょっ…!ねぇ、待って。せっかく着替えたのに……』
「少しだけ。全部脱がせないから、ね?」
『……っもう、』
カップルごっこみたいなことして、こうやって体だけ求め合う。なんて楽しくて、気持ちよくて、馬鹿なお遊びなんだろう。
でもこの心地良さを知ってしまったら、もうやめられない。
端から見たら、どうしようもないふしだらな女だと思われるんだろうな。
でも、それでもいいやーって。目の前の快楽にだけ溺れてる私は、あの時みたいな思いを2度としたくないって…
ずっと現実から目を背けているんだろう。
『…っ、ねぇ、蓮。私のこと裏切らない?』
「大丈夫、裏切らないよ。ていうか…」
『…ふふ、そっか』
「裏切るも何も、最初から気持ちなんてないでしょ?」
『たしかに』
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