4人が本棚に入れています
本棚に追加
午後10時を過ぎていたから、当然そこは誰も居ない公園になっていた。
私はベンチに座ってぼんやり池を見ながら煙草を吹かす。
たける、私が煙草吸う度に、健康に悪いっていつも怒ってたなぁ。
もう自由に吸えるんだなぁ。
煙草を咥えながら池の前にしゃがみこむ。
ふと、水面にたけるの怒った顔が見えた。
ん!?
私の瞬きが多くなった。心臓がドクンと鳴る。
水面には満月が映り込んでいるだけ。
涙が頬をつたっているのに気がつくと、満月はもうぐちゃぐちゃの形になっていた。
私は煙草を投げ捨てた。
たける、怒るよね…。
私はそれを拾い上げると、しばらく空の満月を見つめる。
くすりと笑みがこぼれていた。
最初のコメントを投稿しよう!