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4.笑いは万国共通ならず?
アメリカ人は口で笑う。
アマゾンのスマイルマークは口の笑みを表現している。
『ターミネーター2・特別編』1993年
2年前に公開された時、大ヒットとなっていた。その時は尺の関係でカットしていた場面を復元したのが本作。
ターミネーターが笑いを学習しようとする場面がある。
笑っている人の口の動きをコピーして、自分の顔で再現してみる。口元が痙攣したようになる。
この時、目の表情はコピーの対象にならなかった。
日本人なら「目が笑ってない」と突っ込む場面。
「目を細める」と言えば、日本では笑みの事だ。小さなおちょぼ口を美徳とするし。目が笑っていれば、口は横一文字でも笑みとして通じる。
中国文化圏では、笑いは目で表現するのだ。もちろん、日本も同様である。
『ドラゴンへの道』(原題:猛龍過江、英題:The Way of the Dragon)1972年
ブルース・リー演じるタン・ロンは、ローマで街の女に微笑みかけられ、目を細めて笑みを返す。香港から来たばかりなので、東洋人の笑いをする。
『燃えよドラゴン』(英題:Enter the Dragon、中国語題名:龍爭虎鬥)1973年
この作品はアメリカ人が監督、ブルース・リー演じるミスター・リーはアメリカ的に口だけで笑みを作る。
このせいか、『燃えよドラゴン』は香港ではヒットとならなかった。香港の人には表情が分かりにくかったかも。
マリリン・モンローやクリント・イーストウッドは日本で人気のあるハリウッドスター。彼らは目を細めて笑ってくれる、日本人に分かり易い笑みだ。
ところで、アメリカ人が目を細める場合があるのだろうか。
拳銃やライフルをかまえ、敵に狙いをつけるアクションとして、目を細めることがある。
ここで問題が起こる。
日本人が笑みをかけても、それが目を細めた笑いである場合、アメリカ人には笑みと認識されないのだ。銃で狙いをつける怪しい敵意と誤解されてしまう。
クリント・イーストウッドだって目を細めて笑う。ただし、彼が笑う場合は、目尻にシワが寄る。そして、口の笑み。
銃をかまえて狙いをつける時には、目を細めて眉間にシワが寄る。そして、への字の口。小さな違いだけど、それが人の表情だ。
毎年、日本のアニメやゲームが大量に外国へ配信、輸出されている。
目を細めて笑みとする日本の感情表現を、いつかアメリカ人が理解する日は来るのだろうか。
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