団長

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「オリ、悪魔殺しのラマナに狙われてるのか?」 ハルさんが不思議そうな顔をしている。 まぁ、悪魔しか狙わない集団に狙われていたら、不思議に思うよね。 「狙われる覚えはないんですが…。団長がいてくれて良かったです。俺だけだったら殺されてましたよ。」 「オリ、言うの忘れてたけど、団長は怖ぇぞ。」 「そんなに風に見えませんが。」 「嘘かホントかそこは微妙だが、『虐殺城』の生き残りだって話だ。」 「ぎゃくさつじょう?」 「一夜にして、大量に人が殺された城、ミーア皇国の」 ゴンっ 「いてぇ!!」 「ハル、くだらない事を言うんじゃない。オリ、嘘だからね。そんなものはこの世に存在しないよ。」 「ですよね、そんな国の名前も聞いたことないし、ぎゃくさつじょう…って、そんな馬鹿みたいな話。」 「そう、あるはずないよ。」 団長が綺麗な笑顔でいった。 ・・・・ ナタリアがサーカスに入団したいと、うちに来るとは思わなかった。 また姫に会えるなんて奇跡だ。 ミーア皇国での虐殺、それを起こした奴を殺すために俺はサーカス団長をしながら旅を続けてきた。 これから、俺がナタリアーナを護ろう。ラマナ、お前にナタリアーナは護れない。 ナタリアーナだけが()()の悪魔殺し。 魔女が狙う子、悪魔を殺す姫。 …ラマナは魔女の子だ。だから虐殺城で殺されなかった。 俺はミリアーンの孫。 ナタリアーナを守護する唯一の悪魔の家系。 悪魔だと言われ、一族が殺されそうな時に助けてくれたのがミーア皇国の歴代の王。そのミーア王家に仕えると決めた悪魔。
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