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駅のホームでオトさんと一緒に電車を待つ。
黄色い電車に乗るんだ。
プーさんのリュックには小さいタオルとティッシュと、キュービィドロップが入ってる。手を繋いだオトさんは、遠くの方を見てた。オトさんの顔を見てたら、オトさんがこっちを見た。
「ちょっと、緊張する?」
「きんちょう?」
「……えっと、……ドキドキする?」
「………あんまり」
「そうか。オトさんは、ちょっとドキドキしてる」
「ウリちゃんはいい子だよ。いっぱいお話したもん」
「そっか」
オトさんは、手を握りなおした。手の平が汗かいてた。
電車が来るアナウンスが聞こえた。足元の黄色い線を見る。
大丈夫です。ちゃんと内側にいます。
電車に乗って、オトさんとならんで座った。知ってるよ。三つ先の駅で降りるんだ。
オトさんが言った。
「これから、たくさん我慢しなきゃいけないかもしれない」
「うん」
「外で遊ぶの、しばらくできないぞ」
「しってる」
「オカさん、多分、しばらく寝てるし」
「おねえさんだもん」
「え?」
「おねえさんだから」
オトさんは、こっちを見てビックリした顔をした。
「すごいな」
それから、ニッコリ笑って、頭をなでた。
「ちゃんと成長してるんだな」
「せいちょー?」
「大きくなってるんだな」
「うん」
だって、春になったら幼稚園に行くんだよ?
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