875話 6番通りの鍛冶師で5番目の腕利き-2【ミナ・ミルキーside】

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875話 6番通りの鍛冶師で5番目の腕利き-2【ミナ・ミルキーside】

「ま、待てって! 本当に俺は6番通りの鍛冶師で5番目に腕利きなんだぞ!?」 「しつこいのです」 「そんな微妙過ぎる肩書きをしつこくアピールするなよ。こっちまで恥ずかしくなってくる」 「なっ……!?」  ミナとミルキーの容赦ない言葉に、男は顔を赤くする。  そして、声を荒げた。 「ふ、ふざけんじゃねーぞ!? くそっ! そこまで舐められて、黙っていられるか!」 「ボクたちに手出しする気なのです? やってみるといいのです」 「だな。やれるもんなら、やってみな?」  ミナとミルキーは強気に挑発する。  彼女たちには、男を返り討ちにする自信があった。  コテンパンにすれば、彼も態度を改めるだろう。  逆に、自分たちが負けるようなことがあってもそれはそれで収穫がある。  優秀で強い鍛冶師を確保できるからだ。  結婚する気なんてさらさらないが、給金などの条件次第でスカウトすることも可能だろう。  もっとも、これまでの様子をみる限りそれほど強いとは思えないが……。 「とうっ!!」  そんなミナやミルキーの思いをよそに、男は掛け声とともにハンマーを振った。  それはミナたちを狙ったものではく、彼が取り出した鉱石を打ち砕くためのものらしい。  悪くない破壊力の一撃だった。  ハンマーが当たった瞬間、鉱石はいくつかの破片に砕け散る。  男は満足げに笑った。
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