第14話:これを、覚醒と呼びまんのか?

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第14話:これを、覚醒と呼びまんのか?

 激しい動悸で眩暈がする。  喉の奥からすっぱいもんが、込み上げてきた。  そうや、光ってた入れ墨と関係あんのとちゃうか?  俺は、胸の光に目を向けた。  なんやこれ、点滅しとるやんけ! 「よそ見するとは愚かだ、人間!」  再び鬼が、殴りかかる。  その瞬間、光が消えたのをはっきりと感じた。  そして不思議なことに、全ての物が停止した。  いや、止まってんやない。  周りの景色も、相手も、ゆっくりと動いとる。  ただスローモーションに、見えとるんや!  しかし、爽快な気分やで。  シャブ打ったような、高揚感。  身体中から、力がみなぎってくる。  まるで、無敵になったみたいや。  今、殴ったら、めっちゃ強いんちゃうの俺?  おっと、目の前のこいつ忘れとった。  よう見たら、なぐる時の顔ってマヌケやの。  とりあえず、後ろに立って脅かしたろ。  ほな、行きまっせ! 「は? どこに行った!?」  慌てとる、慌てとる。  後ろから声かけたらビビるかな? 「ほんま、何処いったんやろね?」 「何!? 貴様、どうやってそこまで動いた!!!!」  鬼が振り返って大慌て。 「今まで、ちょっと遊んでたんよ。これから、本気出すけど、ええんかな? ゼニ次第では、許したってもええんやで?」 「は、ハッタリだ……。さっきまで、肩で息をしていたではないか……」 「さいでっか。分かるまで、格の差っちゅーのを教えたろ」  俺は、軽く顔面にパンチを入れた。  刹那、耳を突くような残響がこだまする。  なんや、物ごっつい威力やんけ! 「ふぎゃ!」  鬼は、倒れて動かんくなった。  しまった、顔はまずい!  ボディにせな、ボディに! 「おい、ちょっ……。今死なれたら、ゼニならんやんけ! 起きよ、おい!」  次の瞬間、周りの鬼達が一斉に向かってきた。 「おい、ボスがやられたぞ! やっちまえ!」  はいはい、お馴染みの負けフラグやね。  ちょい黙らせて、仕事しよか。  俺は、デコピンで全員の顔を突いてやった。 「痛て!」 「うわぁ!」 「ぎゃあぁぁ!」  なるほど、黒と緑じゃ硬さが違うんか。  デコピンだけで、緑の鬼は戦闘不能。  黒の奴らは、まだ行けそうや。 「おら、連続パチコ~~~ン!」 「うぎゃぁぁぁ!!」 「デコピンお代わりほしい奴、言うてこい! 食い放題やで~~!」 「くそ! なめやがって!」 「おどれか! も一発、パチコ~~ン!」 「ぎゃぁぁ! 悪かった、もう止めてくれ!」 「だらしない奴っちゃ。他に悪い子は、いねがぁ?」  全員目を背けて、うつむいとる。  日和るんなら、最初から喧嘩売んなや。  まぁこっからが、極道のお仕事や! 「よっしゃ、全員正座! それと、言葉づかい気ぃつけな、パチコンすんぞ!」 「は、はい!」  鬼達が行儀よう正座して、俺の言葉を待つ。  そうそう、やれば出来るやないの。 「そっちから喧嘩売っといて、どない落とし前つけてくれはりまんのや? おう?」 「わかりました。我らの負けです。この通り、土下座して謝りますので、どうか命ばかりはお助けを!」 「謝って済んだら、警察も極道もいらんねん! オドレが始めた喧嘩やろ、きちんと誠意見せたらんかい!」 「誠意? 一体、どうすれば?」 「ほら、あるやろ? 大人やったら、目に見える形のお詫びの仕方が? これや、これ!」  俺は指を輪っかにして、ゼニのジェスチャーをした。 「なるほど! 『形』とは、そういう事ですか!」 「そうそう、皆まで言わすなよ」 「それじゃあ……」  鬼達がわらわらと集まり出した。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━ ――クロス作品―― 『異世界・宮廷料理人ティルレが、モンスターを使った無双レシピを公開するわよ!』 『イセカク ~異世界格闘技に人類最強が参戦したら、どうなるのか?~』格闘技に人類最強が参戦したら、どうなるのか?~』
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