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第6話:城門前の大乱闘
「もう勘弁して……、うぎゃぁぁ!」
かっとなり、門番をタコ殴りにした。
「おい、止めんか! 我らに乱暴すると、あとで……うぎゃぁぁ!」
止めに来たもう一人も、ついでに締める。
「ん? 何事だ!? ひっ捕らえよ!」
中の兵士が、慌てて増援に来た。
その数、えっと……2、4、6、8……。あ~、めんどくさい、ぎょうさんや!
むしゃくしゃしていて、ちょうどいい。
喧嘩ができれば、憂さが晴れる。
そうして、向かってくる兵士を片っ端からぶちのめした。
「弓兵隊、援護しろ! 斉射用意! 放て!」
「弓矢やと? あほらしい! そんなもん、目つむってても避けれるわい! 虎鉄、そこの影に隠れとけ! 手出すなよ!」
「へい、兄貴!」
弓矢の雨が降ってきた。数百本が宙を舞う。
しかし、俺の動体視力は2.0……(以下略)
「な、なんということだ! 弓矢がまるで当たらん! 皆、矛を持て! 挟撃して、奴を串刺しにするのだ!」
弱いのが束になろうが、雑魚は雑魚。
四方から来る槍を避けながら、一人一人ぶん殴る。
「何だ!? なんで一撃も当たらんのだ!? うぎゃぁぁ!」
全員まとめて、しばいてやった。
しかし、俺の怒りは収まらない。
「おい、そこのお前! 仲間呼びに行ってこい! もっと大勢来るよう言うてこいや!」
「ひぇっ! 化物~~~~!」
兵の一人に、増援するよう呼びに行かせた。
しかし逆に警戒され、城門が閉じる。
そして誰も出てこなくなった。
「お~い、これで終わりとちゃうやろな? こっちゃ、待っとんねん! 早よ、兵隊よこせや、ダボが!」
城門の中から兵士が叫ぶ。
「おい、頼むからどこかへ行ってくれ! もう用は無いであろう!」
言われてみれば、その通り。
戦い出すと我を忘れる。
この辺でお開きにしとこか。
「2度と、しょーもない喧嘩売ってくなよ、ボケ! 行くぞ虎鉄!」
「へい、兄貴!」
俺たちは城を後にし、町目指して歩いて行った。
◇
――王宮内――
「陛下、あの者を呼び戻しましょうか? あの武勇なら、ガロアの兵も……」
「いや、あいつガラ悪いもん。わし、あんま関わりたくないなー」
「陛下…………」
――厨房内――
「アルフォンソ、外が騒がしいわね」
「ウィー、ムッシュ! 蛮族が攻めてきたとか、近衛兵が言ってましたが」
「んまぁ、おっかない! そんなのと関わったら、ろくなことないわね!」
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――クロス作品――
『異世界・宮廷料理人ティルレが、モンスターを使った無双レシピを公開するわよ!』
『イセカク ~異世界格闘技に人類最強が参戦したら、どうなるのか?~
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