2.  須田の日常〜高校について

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 まどかちゃんと付き合って約半年…。  今や誰もが付き合っているのを知っているが、僕とまどかちゃんが高校生にも関わらず半同棲しているのは非公式だ。  僕の田舎は電車で片道3時間のど田舎なので、高1から下宿生活をしている。  下宿は厳重に管理されてないため、まどかちゃんに導かれるままに…彼女の家に居候している。  まどかちゃんの家族は一言で表現すると「不思議」だ。  付き合った当初は、まどかちゃんの父親や兄上がいたような気がするが、今は不在のようだ。 「お父さんが単身赴任になったから、大きな寝室使っていいってさ」  まどかちゃんの言葉に甘えて、夜はまどかちゃんと一緒にダブルのベットに寝る。  夕食はメニューだけではなく製造元がバラバラだ。  まどかちゃんの母親が作る、隣の家におすそわけをもらう時、まどかちゃんが自分で作る、たまにどこかに食べに行く。  まどかちゃんの母親は働いているらしく、残業も多い。  付き合ってしばらくしてから気づいたが、隣の家の方々はまどかちゃんの親戚だそうだ。  祖父祖母はわかるが、40代から50代男女が数名いる。 「あの人たちは、おじいちゃんの妹みたい。あ、ミチちゃんはお母さんの妹。よっちゃんはミチちゃんの旦那さん」  ゲリラ的にまどかちゃんのお祖父ちゃんが開催するバーベキューには、明らかに親戚じゃなさそうな人もいるし。  まどかちゃんの家の事情を正確に把握するのはやめることにした。  それより…佐藤って誰だ?  僕の考えにシンクロしたのかどうかはわからないが、家に戻ったまどかちゃんは高1のクラスの写真を取り出した。 「これ…去年の集合写真…。わ!本当だ!佐藤くんいる!」  まどかちゃんが指をさした男子は…、うーん、まあ、どちらかといえば気持ち悪い。 「見たことない男子だ。どうしていきなり佐藤くん?」 「だって、1人なの。ずっと…!気づかなかったけど、高1からかも」  …なんだろう。心がポカポカした。  まどかちゃんて嫌いな人がいないんだよな。  でも…まどかちゃんを嫌いな人はいっぱいいるんだ。  嫌いっていうか苦手?うちのクラスの女子なんか典型例だ。  まあ、まどかちゃんにもちょっと責任がある。  悪目立ちしちゃうんだよな。休憩時間にあまり来ないで欲しいって伝えたのもそのせいだ。  だけど、それって結局は僕自身への評価を気にしているんだよな。  小さい男だな…。  周りの女子に睨まれても、先生に怒られても、全くめげない…。むしろ違うことを考えているまどかちゃん。    最初は変な子で動揺したけど、今はなんとなくまどかちゃんの考えがわかる。   「まどかちゃんが良ければ…たまに佐藤くんに話しかければ?」 「……そっかー!そだね!ありがとう、須田くん」  解決したらしく、まどかちゃんは隣の家に夕飯のチャーハンを取りに行った。
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