第10話「励ましてあげる」

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第10話「励ましてあげる」

土曜日の午後。 「あ、涼真」 校内で涼真の背中を見かけ、菜々子は何気なく声をかけた。 いつもなら、がばっと勢いよく振り返る涼真なのに、今日はひどく、のっそり、重りでもつけられたような動きだった。 それが、ものすごく違和感を感じた。 すぐにその理由を知る。 「腕……どーしたの?」 涼真の利き手の右腕は包帯が巻かれて、首から吊るされていた。 「午前中の練習試合で、相手選手とけっこー激しく接触しちまって、手首折れたんだ」 らしくないテンションの低い声だった。 「そっか……」 スポーツをしているわけでもない菜々子でもわかる。 来週から始まると聞いていた大会に出場できそうになかった。 勉強は全くできない涼真だったが、スポーツ、特にバスケをしているときは本当にカッコいい。 その姿を見に、菜々子は試合をよく見に行っていた。 ここまで落ち込んだ涼真を菜々子は初めて見た。 胸がズキンと痛む。 「元気出して」そう言えたら楽だったが、そんなことを軽々しく言えなかった。 菜々子は元気すぎない声で、涼真を見上げた。 「涼真、今日、うち来ない?お母さん、彼氏と熱海旅行でいないの」 「んー」 「することないなら、来てよー。私も一人でつまんない」 「んー。とりあえず、部活は終わりまでは参加する」 「うん。終わったら、また連絡して」 することもないのか、夕方、涼真が菜々子の家にやってきた。 「いらっしゃい。ご飯できてるよ」 小さなアパートの小さな部屋に通す。 母と子の二人暮らしなためか、部屋は物が少なく、片付いていた。 「今日、ハンバーグにしたの」 母親がホステスの仕事や、彼氏とデートで不在がちなため、菜々子は一通り、家事ができた。 料理は嫌いではなかったが、颯の作るパスタの方が好きだった。 涼真の前にフォークとスプーンを置く。 ハンバーグはあとは差すだけで食べれるように、一口サイズに切ってあった。 涼真は左手でフォークを持つと慣れない手つきで頬張る。 「うめー。菜々子のハンバーグ久々だな」 「お肉、ちょっと奮発しちゃった。あ、口拭くね」 汚してしまった涼真の口元を菜々子が拭く。 「ここも」 涼真が要求する視線の先は、胡座に座るの股関部分で、ごはんつぶが落ちていた。 「もぉ」 菜々子が手を伸ばす。 「あ、今、さりげなくち◯こ揉んだだろ」 「揉んでないしー」 やっと、涼真に笑顔が戻ってきた。 それを見て、菜々子もホッとする。 「涼真のクラスに、すごい将棋強い子いるんでしょ?」 「ん、あぁ、山本ってやつ。たまに学校休んで、試合してるぜ」 「試合って言う?」 「じゃ、なんだ?」 「対戦?」 「デュエル?」 「なんだそれ(笑)」 何気ない会話でも、菜々子はよく笑い、話していて楽しかった。 学校のこと、流行りの遊び、誰と誰が付き合ってるとか、話しがつきなかった。 やがてそれも終わると、菜々子は食器を流しに置いて、涼真の手をとった。 「ねえ、私の部屋行こ」 「おー」 菜々子に手を引かれ、菜々子の部屋に行った。 女の子らしく、花柄のベッドカバーだったり、以前、涼真がUFOキャッチャーで取ってあげたぬいぐるみが並んだりしていた。 何気なく、ベッドに座った。 「いつも涼真主導のレイプごっこエッチだけど、今日は私が奉仕してあげる」 「ほうし……」 イマイチ想像できないのか、きょとんとした顔のままだった。 菜々子は涼真の前に膝まずくと、学生ズボンのジッパーを口で開け、ものを出す。 「久しぶり」 にこっと笑う。 まだ大きくなっていない涼真のモノにチュッと口づけをして、ぱくんと咥えた。 涼真は思わず唾を飲んだ。 菜々子は上目遣いで、嬉しそうに涼真の顔を見る。 「う、ぉ……」 ねっとりと舌と口で包み込むと、涼真のモノはムクムクと大きくなった。 あっという間に、いつもの大きさに成長する。 口で覆えなくなった根元に手を添え、菜々子は上下する。 「うぉ、気持ちー!」 「でしょ?涼真、いつもイラマするから、知らないだろうけど、私、けっこー、フェラも上手なんだよ」 「お、おぉ……ん……」 涼真は顔を歪めつつも口元を笑わせ、快楽に耐えた。 自由な左手で菜々子の頭を優しく撫でる。 舌で裏筋を舐めながら、菜々子はブラウスのボタンを緩める。 大きな胸が谷間を覗かせた。 菜々子の顔を上下させる動きに合わせ、ぶるんぶるんと揺れた。 じゅる……。唾の音が鳴る。 「ん……ふ……んん……」 菜々子の声が漏れた。 「はぁ……なんだ、お前、颯のち◯ぽで練習したのか?」 「んっ……ふふ……」 菜々子は涼真の顔をチラリと見ると、笑ってみせた。 その顔に涼真は嫉妬のようなムッとした顔を見せるが、菜々子のテクニックに堪えるのに必死になってしまう。 「はぁ……」 苦しそうに吐息が漏れる。 「……イく。……う……………」 涼真が菜々子を撫でる手がわしゃと髪を乱した。 イってもなお、菜々子は口の動きを止めない。 精子をじゅるじゅると吸い上げる。 「う、ぁあ……」 ごくんと音を鳴らし、菜々子は涼真の精液を飲みきった。 「どうだった?」 「やっべー、超気持ちよかったわ。サンキュー」 菜々子は嬉しそうに妖艶に微笑んだ。 そして、ショーツを脱ぐ。 菜々子は涼真の上にまたがった。 「まだまだだよ。もう1回、イかせてあげる」 菜々子のそこは舐めていて感じていたのか、触らなくとも、ヌルヌルになっていた。 ゆっくりと、腰を下ろすと、すんなりと、涼真のおち◯ちんを受け入れていく。 「あぁ……!」「う……」 思わず二人の声が漏れる。 菜々子は涼真にしがみついた。 「ん……はぁ……涼真の……おっきぃ」 菜々子は涼真の上に股がったまま、アソコをきゅううと締めた。 「ん……!」 涼真の顔が思わず、崩れる。 「どう?気持ちいい?」 「ぁ、あぁ……」 菜々子は嬉しそうに、きゅううとまた締めた。 そして、ゆっくりと腰を前後に振りだした。 「く……、ぅ、わ……すっげぇー……女に腰振ってもらうの、気持ちー」 涼真はベッドの上に仰向けに寝転んだ。 菜々子のブラウスはいつの間にかはだけ、大きな胸がブンブンと揺れる。 涼真はその一つに、左手伸ばし、わし掴んだ。 「あぁっ……ん……!」 「すっげー、大迫力……」 菜々子は涼真の割れた腹筋に手をつくと、上下に腰を動かす。 「あっ、あっ、あっ!涼真のおちんちん気持ちいいっ!」 「う……ぁ……」 涼真も苦しそうに声を漏らす。 「あぁ……!」 菜々子はびくびくと体を震わせた。 「おいおい、イったのか?」 「ん……こんどは……涼真の番……」 菜々子は、またゆさゆさと控えめに腰を動かしだした。 涼真はその腰を左手で止めた。 「お前にイかされてたまるかよ!」 涼真は腹筋で起き上がると、そのまま菜々子を押し倒す。 「お前なんか、腕1本で十分だわ!」 「あぁっ……!!」 ずぷんっと力強い腰使いが菜々子を襲う。 涼真は左手で菜々子の肩を抱くように掴むと、激しく腰を動かした。 「あぁ……きもちー、さいこー!」 「あっ、あっ、あっ、だめぇ、はげしっいっ!」 「う……」 涼真は菜々子の奥まで、挿入すると、ドクドクと、精液を流し込んだ。 「はぁ……はぁ……」「はぁ……」 小さな菜々子の部屋、男女の荒い呼吸が響く。 頬を高揚させ、潤んだ瞳の菜々子が下から涼真を見上げ、気持ち良さそうに笑った。 涼真も笑い返す。 涼真はもう一度、菜々子の頭を撫でた。 ゆっくりと、モノを抜く。 菜々子は呼吸が整うと、精子が垂れないように、アソコを抑え、ショーツを拾った。 「このまま、お風呂入っちゃおうかなぁ。涼真、洗ってあげようか?」 涼真は菜々子を後ろから抱きしめた。 「菜々子、サンキューな。元気出た」 菜々子も満足そうに笑う。 「ふふっ。オナるの、片手でヤりづらかったら、手伝ってあげるよ」 「頼む。んじゃ、背中流してくれよ。自分じゃ、洗えねーし」 「介護だね」 「介助な」 二人は笑いながら、お風呂場に向かった。
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