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第7話「ギャップ萌え」
秋になり、菜々子たちの学校はもうすぐ文化祭が行われる。
菜々子の所属する茶道部でも、1日茶道室を開け、お客さんにお茶を振る舞う予定だった。
何時から何時まで活動し、どの程度の集客を考えているのかといった企画書を菜々子は生徒会室に届けに行くところだった。
1階の渡り廊下を歩いていると、メインとなる昇降口で、数人の生徒たちが、案内板や受付の設置をしていた。
遠くからでもわかる。
その中に、一際背の高く、体格のガッチリした存在感を放つ男の子がいた。
太一だ。
太一は分厚い紙の束を見て確認しながら、周りの人間に指示をだしていた。
その横顔がいつも遊んでるときの顔とは違い、大人っぽくて、頼りがいを感じて、カッコよかった。
菜々子は声をかけるのを忘れ、思わず、ぼーっと見つめてしまった。
「太一さん、これ、どうしましょう?」
「あぁ、こうしといて。去年もそうだった」
同じ生徒会の後輩らしき男の子に声をかけられ、太一はすぐに指示を出していた。
そこへ、焦った様子の女の子がやってきた。
「太一さん!大変です!」
「それは……」
「ありがとうございます!」
「あ、先生。前言っていた資料できたので、机に置いときました」
「深沢、やること早いな。助かるよ」
先生まで、太一に一目おいているようだった。
怒涛のやり取りが過ぎたところで、突然、太一が振り返り、目が合った。
「菜々子、お待たせ。なんだった?」
ドキッと心臓が鳴る。気づいてたんだ。
「えっと、これ……今、ここで渡しても大丈夫?」
菜々子は企画書を見せた。
「あぁ、サンキュー」
太一はざっと目を通すと、持っていたファイルに収めた。
菜々子は顔を傾け、長身の太一の顔を見上げた。
「生徒会、忙しそうだね」
「まぁ、行事はこんなもんだろ」
「大変だね」
「大変だけど、楽しいから」
「私も楽しいよ。文化祭。太一たちががんばってくれてるおかげ」
「そう言ってもらえると、マジ頑張れるわ」
太一は、いつも見る頼りがいのある男らしい太一っぽい表情に戻っていた。
「太一さーん!すみません!ちょっと来てもらっていいですか?」
まだ太一としゃべりたかったが、後輩の子が遠くで必死に手を振っていた。
「それじゃ、私行くね」
「おう」
菜々子は手を振るとその場を離れた。
振り返って太一を見ると、また生徒会長、深沢太一になっていた。
文化祭当日。
賑わう一角から少し離れた体育館への渡り廊下、菜々子は太一の姿を見つけると声をかけた。
「太一ー!お疲れさま」
「お、菜々子」
「これ、うちのクラスが作ってるお好み焼きなんだけど、食べる?」
「いいのか!?サンキュー!!腹減ったんだけど、昼飯買いに行く暇なくてよ」
太一は木陰に座り、がっつき始めた。
菜々子も隣に座ると、涼真のクラスから買ったフランクフルトを出し、ぱくんと咥える。
太一がそれを見て、にやっと笑った。
「ち◯こ、おいしい?」
「ち◯こじゃないもん」
菜々子は構わず、食べ続ける。
でも、このフランクフルト、よく見たら太一のと同じくらいの太さかもしれない……。
「今年は変なこと起こらず、無事終えれそうだな」
「去年、なんか起こったっけ?」
「他校の生徒が勝手に入ってきて、たばこ吸ってたり、そもそもクラス企画の準備が間に合わず、なんもできないクラスあったり」
「あー、あったね、そんなこと。でも、今年はそんなクラスなさそうだし、太一たちががんばってくれたおかげだね」
「へへ、まぁな」
照れたように太一は視線をお好み焼きに移し、あっという間に食べ終わってしまった。
菜々子はそんな太一を嬉しそうに、にこにこ眺めながら言った。
「生徒会の仕事してる太一、かっこよかった」
「………………なんだよぉ、こんなとこでそんなこと言うとさ……あー……立ってきた」
「なんで(笑)」
「お前が可愛いから」
太一はガバッと腕を掴むと、キスをした。
そのまま頭を掴まれ、固定されると、口の中まで舌を入れ、濃厚なキスが始まる。
お好み焼きのソースの味を感じる。
太一は菜々子のフランクフルトのケチャップの味を感じてるかもしれない。
「ん……はぁ……ふ……ん……」
太一の手が胸に伸びてきた。
お返しに、菜々子は太一の股関に手を伸ばす。
服の上からでもしっかりわかるくらい、硬く、勃起していた。
それを優しく撫でる。
「おいおいおい」
太一が口を離し、菜々子の手を押さえた。
「マジで我慢できなくなるから」
「むしろ、出しちゃったほうが早くない?」
「俺、忙しいんだよ」
「協力するよ」
「……………」
太一は数秒ためらったのち、ファスナーを開いた。
菜々子は膝をつくと、ぱくんと咥える。
「う……おぉ……」
太一は菜々子の頭を撫でたり、髪をわしゃっと掴んだりする。
いつ誰が来てもおかしくない。
菜々子は根元を手でしごき、頭を大きく動かした。
「う……ぁ……やべ……」
「ん、ふぅ、んぅ……」
「本物のち◯こおいしい?」
「ぅん……」
とろんとした瞳で菜々子が返す。
「太一さん!!」
突然、窓から副会長の2年が太一に話しかけてきた。
菜々子の姿は見えないらしい。
「お、おぅ、なんだ?」
太一は変わらない表情で返す。
菜々子は口を止めない。
「この件なんですけど……」
「あ、あぁ……それは……」
菜々子はフェラし続ける。
イくような強い刺激ではなく、ふわふわ宙に浮かんでしまうようなじれったい口使いだった。
「ありがとうございました!」
ほどなくして、副会長は行ってしまった。
「ななこー」
太一が困ったように、ポンと菜々子の頭に手をのせた。
菜々子はふふふと笑いながらもフェラを続けた。
「あー、きもちー……やべ、イきそう」
太一は菜々子の頭を掴むと、喉奥に突き立てる。
菜々子は目を見開き、思わずむせかえりそうになる。
「う……く……」
張りつめたような、堪えてるような太一の息づかいが聞こえる。
「んぐ……ん……」
菜々子は太一の乱暴な動きに抗わずにいた。
それでも、生理的な涙が溢れ、頬を伝っていく。
「う……イく……」
太一のち◯こから精液が放たれた。
「飲んでくれ」
菜々子は苦しそうな表情で、喉をならす。
数秒後、やっと手をはなしてくれた。
「げほっ……げほ、げほ……」
「ふぅ、菜々子。サンキュー」
太一はティッシュを渡してくれた。
あるなら、別に飲まなくてもティッシュに出せばいいのに。
教えてくれないところが太一らしかった。
「生徒会長知りませんか?」
どこか遠くで、誰かが太一を探している声が聞こえる。
「行って」
菜々子は笑顔で送り出す。
「ごめんな」
太一は菜々子の頭を撫でる。
優しく、温かい手だった。
「文化祭終わったら、エッチしような」
「うん」
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