3人が本棚に入れています
本棚に追加
幼馴染みはずっとうつむいてた。
ちょっと心配になったけど、あたしに気付いた途端顔をしかめやがったから、憐憫の情って奴は一瞬でどっかへ飛んでってしまう。
あたしは陽気なステップなんて踏みながら、顔を背けたアイツの側まで行く。
そして体当たり。
「よう、モテ男!」
モテ男はよろめいて壁にぶつかる。いつもなら余裕で耐えるのに。
ギロリと睨んできたけど、やっぱりいつもの元気はない。
「うるせぇ! 絡んでくんな!」
精一杯、低い声で脅すように。
「なーんか、めちゃくちゃヘコんでるね? せーっかく告られたのに浮かれたりしないんだ?」
ホントは慰めてあげたいけど、思わずいつもの言い方になってしまった。
「ヘコんでんの分かってんなら、放っといてくれよ」
あたしを置いて下駄箱へと早足。
当然、逃がすあたしじゃない。
最初のコメントを投稿しよう!