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 まずは、志築さんを伴って左の扉から階段を下りる。階段にも深紅のカーペットが敷かれており、この階段から降りてくる新郎新婦を迎える参列者はここで花吹雪を投げて祝う。  また、一階と二階の合間、階段の踊り場にはカラフルなステンドグラスで装飾された窓があり、映えスポットとしても人気の場所だ。  志築さんは真剣な顔して説明を聞いていた。  主に、どこに響くポイントがあるのかを考えているのだろう。    「ここが、披露宴会場、ロワの間です」    ロワはフランス語で王様という意味がある。名付けたのは社長らしい。  もう片方の披露宴会場は「レーヌ」だ。フランス語で「女王」という意味を示す。 「50~90名の挙式はロワ、50名まではこれから案内するレーヌで行われます」  近年大人数より少人数で挙式が行われる傾向が大きい。  そのため、うちでは100人超えの披露宴会場が用意されていなかった。  ただ、何事にも例外というものはある。 「冬はクローズですが、温かくなればジャルダンが解放されます。どうしても、の場合はこちらに席を設けて披露宴を行います」            
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