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 あ…  ちゅん、ちゅん、ちゅん。  小鳥たちの囀りで目が覚めた。こういうシーン漫画で読んだことがある。    ぼんやりと見上げた天井は知っているけど、自分家じゃないことは分かった。  隣を見れば、私を何かからそれを隠すように寝ている志築くん。  背の高い彼がこんなソファーで背中を丸めて寝ているって体が痛くないのだろうか。  …今何時だろう。  きっといつもと同じ時間だと思いつつ、彼の腕から何とかして抜け出した。  携帯を探して時間を見ると[6:18]と表示されている。  よかった、とホッとしつつまだ寝ている志築くんに黙って帰るのも気が引ける。  かといって、お風呂も入らず化粧も落とさずそのまま寝てしまったのだから早急に帰って、お風呂に入りたい。  私は少し悩んで、鞄の中からメモを取り「帰ります」と綴ったそれをテーブルに置いてこっそりと帰った。  「…起きたらいなくて寂しかった」  仕事中、事務所で資料を作っていた私のところに、志築くんがやってきた。周囲に誰もいないことを確認してはいたけれど、扉を閉めるなり、とても恨みがましい目を向けられる。  「…いつ帰ったんですか」  「…6:18」  「…だったら俺も起こしてほしかった」  志築くんは私の席の隣に座ると頬を膨らませて下から覗き込んでくる。  整髪料を使い綺麗に整えた髪、パリッとしたスーツを着ているのに、その子供のような表情が大きなギャップで心臓に悪い。  「…遅番でしょ」  「それとこれとは別です。朝ごはん一緒に食べたかった」  「お風呂も入ってなかったし。お化粧だって」  「…俺はこんなにも彩羽さんと一緒にいたいのに」  ひーん、と泣き真似をする彼にどう対処していいのか分からない私。  おろおろとしていると、事務所の扉が開き支配人が入ってきた。  
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