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「彩羽」
だけど志築くんに嗜められておずおずとひっこめた舌を差し出した。
彼は私の様子を覗いながら、舌先でちょん、とくすぐる。
弾力のある塊がとても肉肉しい。感触だけじゃなく、視覚的にも破壊力が抜群だった。
逃げたくて、でも逃げられない。
逃げたくないのに、逃げたい。
未知なる世界にビクビクとしながら破壊力抜群の画をただじっと見守った。
彼は私が逃げないと理解したらしく次第に触れる面積を増やしていく。
舌の先だけだったのに、彼の舌が絡みついてきた。小さな抵抗で、彼の肩に置いた手を突っ張ってみたもののびくともしない。
むしろ、静かに外されてしまう。
行き場のない手をどうすれば分からなくなっていると、何か違和感がして意識を戻した。
「…!!」
彼は私の舌を食べるように唇むと、揶揄うように唇を丸めて滑らせた。
はむはむ、くちゅくちゅとまるで甘噛みされているみたいでなんだか変な気分になる。
だけど志築くんの目はとても挑戦的で、私はただされるがままにキスされ続けた。
舌の奥、根っこの部分から先端をチュゥと唇が滑る。溢れてきそうな唾液まで吸い取った。
「……嫌でした?」
「…………いや、じゃない、けど」
「けど?」
なんというか、変な感じなの。
そう言えば志築くんは困ったように眉を下げて笑うのだった。
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