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 ドライヤーを持ってきて乾かしていると、彼の短い髪は5分もせずに乾いてしまった。  もう少ししてあげたかったな、なんて言葉にもできないことを心の中で呟きながらソファーの足元にあるドライヤーのコンセントを抜こうと屈み込んだ。    ?!  突然がしっと抱きしめられて身動きが取れなくなってしまった。おかげでコンセントは抜けずじまい。  「……ど、どうしたの?」  「んー?なんとなく、そういう気分だったので」  そういう気分ってどういう気分?と不思議に思いつつも、とりわけスキンシップが激しい彼を好きなようにさせる。  なんとかしてドライヤーのコンセントを抜き、コードを片付けていると、彼はそれを横から取り上げて(かろうじてコードは全て巻いた後だったけど)テーブルに置くとそのまま雪崩れるようにソファーに倒れこんだ。  「?!?!」  さっきと全然比じゃないぐらい驚いて声も出せない私を志築くんが楽しそうに眺めている。  身体を起こそうとすれば、抱き起こしてくれたけど、ならどうして押し倒した、と聞いてみたい。  「……どうしたの?」  「んー?彩羽さんが俺の彼女か、と思うと嬉しくて」  彼は甘えるように私の肩に顔を埋めるとしっかりと腰を抱き寄せた。  まるで大きな赤ん坊が母親に抱きついているように見える。  
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