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 もう、十分我慢した。  沢山焦らされた。  やっと触ってもらえたのに、それだけで満足出来なかった。  熱くて堪らない腹部の奥を満たして欲しかった。早くこの熱を冷ましたい。  なんでもいいからぐちゃぐちゃにしてほしい。  「やっ、らあぁんっ」  身につけたままのパンツを煩わしそうに、志築くんは脱がすと、私の脚を持ち上げて蜜口を開かせた。ハクハクと息を吸い込むように戦慄くそこを、彼の手がそろり、ゆるり、と撫でる。  たったそれだけで、身体に電流が走り腰がしなる。待ち望んで期待に満ちた欲望はあっさりと切り捨てられて、そのかわり彼の指が慰めるように奥を突き進んだ。  「あっ、あんっひゃん」  親指で、花芽を弄られて愛路を妨げる蜜を書き出すように動く指。自然と脚が開き、自らそこへ誘導する。  「エロいなあ、彩羽。絶景」  上から見下ろすその瞳はもはや人ではなく野獣。爽やかでクールで、でも子どもっぽい彼が見たこともないほど野生的で。  あ、だめ。  食べられる。  そう思った時はもう遅かった。    「んんんんんっ!!」  上り詰めた私に問答無用で彼はさらに施しを与える。塞がれた唇は、もう顎が辛い。舌を出す気力もないのに、彼はむしゃぶるようにキスを続けた。    早く欲しくて堪らなくて、彼にしがみついていた腕を伸ばす。窮屈な布の中で膨張を続けるそれに指先が触れた。  「…っ、ぐ」  息も絶え絶えで、離れた唇からようやく酸素を吸い込む。性行為独特の香がして、下腹部がまた熱くなった。  「ち、ひろくん、」  はやくほしい、と羞恥心もはしたなさも全て放り出してただ彼を望んだ。  彼の下着も色が変色するほど濡れているのがわかる。    
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