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 翌日の朝礼で志築くんが昨夜の話を共有した。それはもう大盛り上がり。ヒーローだった。  肩や背中をバシバシと叩かれているけれど、とても嬉しそうだ。    「よくやった!しかもジャルダンとは」  「もってるねえ」  「二十分話して仮押さえって」    ヒューヒューと皆が褒めて囃し立てる。  「初めての担当がこの規模とか、俺なら泣く」  「私も」  「緊張しすぎて寝込みそう」  一方では「自分じゃなくてよかった」なんていう声もちらほら飛び交っている。  ジャルダンは天候に左右されるし、何よりトラブルになる要素が多い。  五月の末だと夏日が続き、食中毒などにも気を遣わなければならない。  「峰、しっかり補佐してやれ」  「はい」  「いーなー。俺も峰さんに補佐してもらいたい」  「何?私じゃ不満なの?」  「そーいうんじゃないって」  町田さんが島谷さんに詰められた。  それを見て皆が笑う。  「早速だけど、これだけ直近だと司会・カメラマンはかなり選択肢が限られてきます」  「ですよね。と思って頭出しはしています」    
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