19/36
前へ
/211ページ
次へ
 「続いて午後の部、ロワ・ジャルダンでプランナーは志築さん」  挙式のある土日の朝礼では全員がその情報を共有する。  担当のプランナーがどんなお二人かを説明。  あとは簡単な注意事項。例えば、お子様連れの後列席者が多い、芸能人がくる、車椅子の方がいる、等々。  「はい」    プリエールに来て初めての担当パーティーに志築さんは若干緊張を見せているものの、表情からはわかりにくい。  それに「緊張しています」という堂々と言うあたり大丈夫そうだ。  「ご新郎九条梓様、ご新婦宮内玲様です。お二人様は既に入籍済で、挙式をハワイ、披露宴を奥様の地元神戸で行われたのですが、ご新郎様が会社経営をされており、その立場上、パーティーを開催するとしてプリエールを選んでくださりました」  実際、ご縁を繋いでくれたのは新郎と同じ会社役員の香月様。そして木下様。  お二人は、初めてご来館された後、お忙しいお仕事の合間をぬって、何度もご来館して頂いた。  お食事メニューや、バラのアーチ、テーブルのセッティング等導線についても私達と同じように考えてくださった。  普通のパーティーではないことは確か。  それは、予め初めから頭出しはされていた。  それ故、その予想通りになれば、もしかすると、ここ数年で一番大きなパーティーになるかもしれない。    
/211ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4485人が本棚に入れています
本棚に追加