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仕方なく志築くんに了承すれば彼は嬉しそうに笑った。
タイミングよくやってきた電車に乗って、渋谷で降りる。
店は志築くんに任せたのだけど、この時間どこもいっぱいなはず。
だけど彼は「大丈夫」だという。
渋谷のメインとは反対側の出口を出た志築くんは、携帯で地図を見ながら歩いていた。どうやらこれから向かう店は初めて行く場所らしい。
「ここですね」
駅から少し離れた、どちらかといえば平日が賑わいそうなところだ。
その、雑居ビルの地下へと向かう階段を降りると建物の古さと少しミスマッチな重厚な扉が私達を出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ。お好きなお席にどうぞ」
少し重い扉を開ければ、中はカジュアルだが雰囲気のあるお店だった。
カウンターの前にはウイスキーボトルが並び、バーのよう。
だけど、テーブル席に座る人々は、食事も楽しんでいる様子。
センスのいいインテリア。電飾がまた素敵だ。テーブルや椅子のデザインも、壁に飾られた絵画も、どれも店内に溶け込んでいる。
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