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 結局、悩みに悩んだ結果、Tシャツにデニムのロングスカートという、至ってカジュアルな服装にスニーカーを合わせた。  今の私の最大限のお出かけ用スタイル。  普段はパンツばかりなので、スカートを履くのも久しぶりすぎる。  おまけに脚を大きく開けないので、思ったより不便だ。  髪の毛は普段夜会巻のようにアップにしているものを緩く巻いてただのポニーテールにした。  背中まである髪の毛は縛らないと邪魔になる。  玄関前で何度も確認した。  時間も時間なので、諦めて扉を開けると、すごくカジュアルな志築くんが、携帯片手に壁にもたれかかって待っていた。  「おはようございます。来てくれて嬉しいです」  おはよう、待ってた!わんわんっ  そんな副音声が聴こえてきそうなほど尻尾がぶんぶんと揺れている。    「彩羽さん、今日スカートなんですね。可愛い」  ………彩羽さん?  突然名前を呼ばれてびっくりして見上げた。  ヒールを履いていないせいか、今日の彼は少し遠く感じる。  「せっかくのデートなので、デート感だしたくて。俺のことは“智紘”って呼んでください」  いやいや、呼べないわよ。  そんな、急に。ハードルが高い!  
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