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 映画が始まるまで一時間ほど時間があった。  志築くんと相談して少し早いけど、ランチをすることにする。  移動してお店を探す時間もないので、同じ建物の中にあるレストラン街に向かう。  パスタ、ラーメン、ハンバーガーといった、ファストフードから、ガッツリ定食まで種類は様々だ。  「何食べたいですか?」  「……そうね。軽い物がいいわ。あまりお腹は空いてないの」  ランチを提案してくれた志築くんには申し訳ないが、三時間ほど前に朝ごはんを食べたばかり。食べられなくはないけれど、あまりガッツリ食べたいわけじゃない。そのことを言えば彼は「なるほど」と頷いた。  「じゃあ、お好み焼きにしません?さっきからすっげーいい匂いがして」  ソースの、と付け加えた彼は少し通り過ぎたお店に引き返そうとする。  「ついでにたこ焼きも」  「ソース尽くしね」  「ダメですか?」  志築くんがいいならいいと思う。  半歩先を歩く隣にそれを伝えれば、彼は破顔して「やっぱり焼きそばにしようかな」と迷い始めた。    
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