4485人が本棚に入れています
本棚に追加
映画が始まるまで一時間ほど時間があった。
志築くんと相談して少し早いけど、ランチをすることにする。
移動してお店を探す時間もないので、同じ建物の中にあるレストラン街に向かう。
パスタ、ラーメン、ハンバーガーといった、ファストフードから、ガッツリ定食まで種類は様々だ。
「何食べたいですか?」
「……そうね。軽い物がいいわ。あまりお腹は空いてないの」
ランチを提案してくれた志築くんには申し訳ないが、三時間ほど前に朝ごはんを食べたばかり。食べられなくはないけれど、あまりガッツリ食べたいわけじゃない。そのことを言えば彼は「なるほど」と頷いた。
「じゃあ、お好み焼きにしません?さっきからすっげーいい匂いがして」
ソースの、と付け加えた彼は少し通り過ぎたお店に引き返そうとする。
「ついでにたこ焼きも」
「ソース尽くしね」
「ダメですか?」
志築くんがいいならいいと思う。
半歩先を歩く隣にそれを伝えれば、彼は破顔して「やっぱり焼きそばにしようかな」と迷い始めた。
最初のコメントを投稿しよう!