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気がつけば志築くんは色々と仕事に対して話してくれた。ビジョンだったり、プレジールの未来について。
仕事のことを話す彼はとても楽しそうで、止めるのも可哀想。だから、ただひたすら聞き役に徹して頷いていると何故か怒られてしまった。
「止めてくださいよ。恥ずかしいじゃないですか」
「そんなことないわ。支配人が聞けば泣いて喜ぶと思うけれど」
「……嫌だ。絶対言わない」
志築くんは支配人の性格をよく理解している。そんなこと零した日には、弄られるし、そのプロジェクトを遂行する主軸になれと言われるだろうことは目に見えている。
「それより、俺ばかり話してるんで彩羽さんの話しましょう」
「私の話?」
「そうですよ。理想のデートとかあります?こんなことしたい、あんなことしたいって」
矛先が向いたと思えば話が百八十度変わった。仕事の話を振られても困るけど、こういう話はもっと困る。
「……特にないわ」
「嘘。有るはずですよ。新婦様見てあれだけキラキラしてるんですから」
彼はピシャリと言い切るとにこりと笑みを深める。
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